『悔しかったです。』 ページ49
「・・・・・・実を言うと・・・・・
知ってはいました・・・・・
雄英の、合否結果を通達する手紙が有った
じゃないですか・・・あの結果を知らせに、
いずくんが家まで来て、話してくれました。
・・・・・すいません。てっきり兄さんは、
もう知っているのかと・・・
話していませんでした・・・・」
俯いて淡々と語る私を、兄はどう思ったのか、
黙ってしまった。
そして、其の沈黙に慌てた私は
「・・・・あ、でも・・・・兄さんも知ってる
って事は、いずくん、話したんですよね？
び、吃驚しました。
いずくんが個性を持っていたなんて。
しかも、あんなヒーロー向きの・・・・
超パワー・・・・とか、
何処のヒーローでしょうかね・・・・」
笑って誤魔化すしか無い。
兄にとって、いずくんは格下の様な存在で、ずっといずくんを蔑んできた。そんな相手が、突然個性に目覚めて、自分と同じ高校に行くなど・・・・兄にとっては耐え難い屈辱。
けれど方向転換するには、これしか無い。
私は、これから起こる事を予測し、全身に力を入れる。
「・・・・・」
「・・・・・」
・・・・というか、
結局何なんでしょう。
いえ勿論、いずくんに話されて戸惑い、私に聞いたというのは納得します。ですが、そのまま沈黙って・・・・・私は此の時間が嫌いなんですが。
「・・・・・・何も、思わなかったんか。」
「え・・・・・」
どうし・・・・たのだろう。
今日は兄の様子が変だ。
妙に余所余所しい。
人の事をとやかく言えませんが、此れは余りにもおかしいです。
「いいから答えろ・・・」
「・・・・・」
何時もより低く、小さく、だが威圧感は無く。それどころか、兄がなんとなく、弱々しく見えてしまった。
そんな兄を見て、私は固く噛んでいた唇を離した。
「・・・・・・・悔し・・・・かったです。
私は、確かに努力したとは言えません。
周りに沢山甘えてしまった
諦めてしまった。
だから、素直に喜びたかったんです。
でも称賛より先に、私の胸に込み上げた
感情は、『悔しい』だったんです。
最低だとは思います。
でも・・・・急に、怖くなったんです。
まるで、自分だけが異質の様な・・・・
そんな感覚が襲ってきたんです。」
そう。
独りぼっちになった様な
そんな気が、した。
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ソイク(プロフ) - 名前変更ってないんですか？ (2021年9月18日 2時) (
レス) id: 145d3835ef (このIDを非表示/違反報告)
はな - 名前変換は簡単なのでしてほしいです (2019年12月31日 13時) (レス) id: 32e6686df9 (このIDを非表示/違反報告)
悠吏(プロフ) - もし良かったら、名前変換出来るようにしてほしいです…(´･ω･｀) (2019年5月29日 14時) (レス) id: 0ccaf131b5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - もっと優己ちゃん出してほしいけど、原作見返してるみたいでおさらいになるのでこれも良き。 (2019年2月13日 16時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
アカヤ - 毎日チェックしちゃうくらい大好きです！これからも頑張ってください！！ (2019年2月12日 18時) (レス) id: 028fbbb864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四面楚歌 | 作成日時：2019年1月18日 23時
