二年ぶりの帰宅 ~若し~ ページ30
部屋には、私と父さんだけになった。
前にもこんな状況が有ったと思うが、何だか此方の方が空気が重い気がする。
たった数分の沈黙だが、私は其れが数時間の沈黙に感じられた。
先に沈黙を破ったのは、父さんだった。
「＿＿＿＿＿お母さんはね、物凄く心配していたんだよ。」
「・・・・え」
突如始まった父さんの話。
其れは、私が眠っている間の事だった。
「最初はね、お母さんずっと自分を責めていてね
『私があの子にお弁当を渡すのを頼んだからだ。』
『もっと早くあの子の変化に気付いてあげてれば。』
『私なんて母親失格よ。』
って、言っていたりしていて。
極稀に見るネガティブだったよ。
・・・・・そんなお母さんを見るのも、ずっと眠っている優己を見るのも辛かったんだ。
勝己も勝己で凄く荒れてね。手の付けようが無い位だった。」
「な、何で兄さんが・・・・？」
「？自分の妹の事だ。どの世界に自分の妹を心配しない兄が居るんだい？」
心配・・・・・というより、ただ単に生活のメカニズムが崩れただけでしょう。
私が居なくなって、ストレスをぶつける相手が居なくなったんですから。
「出久君達も凄く心配していたよ。出久君なんか半泣きでねぇ。毎日家に来ては、
『優己ちゃん、まだ目覚ましませんか？』
って聞きに来て。」
いずくん・・・・・毎日来てたんですか・・・。
「・・・・・・優己。辛い事が有るなら、父さん達が聞くよ？どんな内容だろうと、ちゃんと聞く。
＿＿＿＿＿だから、優己の人生は、優己だけのものじゃない事を、分かって欲しい。」
「・・・・・・父、さん・・・・」
＿＿＿＿＿＿＿分かっては居たんです。
私の人生が、私だけのものでは無い事位。
けれど、「本当に私は必要とされているのだろうか。」と考えてしまう。
そんな時に決まって、兄さんの言葉が脳裏に浮かんで来る。
『無個性のクズ。』
私はクズなんだ。
生きてはいけないんだ。
そう思ったら、きりが無かった。
＿＿＿＿気が付けば私は、屋上から飛んでいた。
「誰にも必要とされないならば、せめて誰にも迷惑の掛からない方法で死のう。」
そう思ったんです。
でも父さん。
若し、貴方達が私に
「生きてて良いよ。」と、言ってくれるなら。
私は、「生きてて良かったんだ。」って思えるんです。
二年ぶりの帰宅 ~え、ゆうえー？~→←二年ぶりの帰宅 ~ソファは偉大~
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 611人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソイク(プロフ) - 名前変更ってないんですか？ (2021年9月18日 2時) (
レス) id: 145d3835ef (このIDを非表示/違反報告)
はな - 名前変換は簡単なのでしてほしいです (2019年12月31日 13時) (レス) id: 32e6686df9 (このIDを非表示/違反報告)
悠吏(プロフ) - もし良かったら、名前変換出来るようにしてほしいです…(´･ω･｀) (2019年5月29日 14時) (レス) id: 0ccaf131b5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - もっと優己ちゃん出してほしいけど、原作見返してるみたいでおさらいになるのでこれも良き。 (2019年2月13日 16時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
アカヤ - 毎日チェックしちゃうくらい大好きです！これからも頑張ってください！！ (2019年2月12日 18時) (レス) id: 028fbbb864 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：四面楚歌 | 作成日時：2019年1月18日 23時
