眠り姫 ~日常化と形骸化~ ページ22
部屋に戻って来た母さん達。
何故か兄さんは黙って部屋の隅に居る。
何をしたんですか、母さん・・・・
「あら、何。優己？」
ニッコリと笑う母は、兄さんよりも圧が有った。
「これ以上踏み込んではならない。」私の二年のブランクは、家族内領域を忘れてはいないようだった。
「勉強、どうしよっか？家庭教師とか？」
「・・・・・半年位有れば、いけます。」
指を折り数えながら、頭の中で計算し答えた。
「半年で、いけるの？？」
「はい。」
二年のブランクがある。重く見積もっても、それ位が妥当だろう。
「別に・・・・、出来るなら良いけど・・・。」
其の「本当に出来るの？」って顔辞めて下さい。
出来ますよ。失礼な。
怒りますよ？
「まあまあ。優己が出来ると言うんだ。出来ないなら、その分勉強時間を増やせば良いさ。」
ありがとうございます、父さん。
父さんは救世主ですね。
一生崇めます。
「・・・・ま、それもそうね。」
肩をすくめ、苦笑する母さん。
「よーーーし、それじゃあ、優己が二年ぶりに家に帰る日は、すっごい豪華な料理を用意したげるわ！」
腕まくりをし、それを高らかに掲げる母さん。
その光景を優しく見守る父さん。
っていやいや、止めて下さいよ父さん。
そういうのまで、優しく見守らなくて良いんですよ？
止めてくれたって良いんですよ？
「あ、その時は出久君達も呼ぼうか？優己が目を覚ましたって聞いたら、きっと出久君嬉し泣きしちゃうんじゃない？」
「ア゛！？なんでクソデクも呼ぶんだよ！呼ばんで良いだろうが！！」
今まで黙っていた兄さんが、凄い顔で怒鳴った。
そんな嫌う必要無いじゃないですか・・・・
「勝己！また、そうやってクソクソ・・・そんな下品な子に育てた覚えは無いわよ！」
「そっちのクソじゃねぇわ、クソババア！」
「パーティーの時、何か食べたい物はある？」
「無視すんなや！！」
二年前と変わらぬ、親子喧嘩。兄さんには失礼だが、相変わらずの口の悪さだ。
けれど
最早日常と化していた其れは、私にとって形骸化していたのかもしれない。
こんなにも、懐かしいと感じてしまうとは。
「無視してないわよ。ただ優己に何が食べたい？って聞いただけじゃない。」
「其れを無視したって言うんだよぉ・・・！！」
腕をワナワナと震わせ怒り狂う兄さん。
生きれて、良かったのかもしれない。
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ソイク(プロフ) - 名前変更ってないんですか？ (2021年9月18日 2時) (
レス) id: 145d3835ef (このIDを非表示/違反報告)
はな - 名前変換は簡単なのでしてほしいです (2019年12月31日 13時) (レス) id: 32e6686df9 (このIDを非表示/違反報告)
悠吏(プロフ) - もし良かったら、名前変換出来るようにしてほしいです…(´･ω･｀) (2019年5月29日 14時) (レス) id: 0ccaf131b5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - もっと優己ちゃん出してほしいけど、原作見返してるみたいでおさらいになるのでこれも良き。 (2019年2月13日 16時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
アカヤ - 毎日チェックしちゃうくらい大好きです！これからも頑張ってください！！ (2019年2月12日 18時) (レス) id: 028fbbb864 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四面楚歌 | 作成日時：2019年1月18日 23時
