花屋店員(2) ページ41
「いらっしゃいませ」
閉店も迫ってくると花屋というのはお客様はぴたっと来なくなることも多く、堂々と片付けをしていた中、ひとりの男性がきょろきょろしながら店に入ってきた
お客様にお尻を向けて片付けをする訳にもいかず、慌ててカウンター内に戻り、笑顔を向ける
この時期は男性が花を求めてくる方も多く、その目的は告白だったりプロポーズだったりするんだけど、この人もそうだろうか。
マスクをしていて顔はあまり見えないけれど、こわばっているのが垣間見れた。
そんな男性が立ち止まったのは薔薇の前
本数の意味がかかれたポップを見つめると、こちらに向かってきた。
「あの、薔薇を9本。プレゼント用に包んでくれますか？」
「承知いたしました。花束でお渡ししますか？」
「あーはい、よく分かんないけどそれでいいです」
ふふ、と照れたように笑う男性を初めて正面からしっかり顔をみたけど顔の大半がマスクで隠れて、とても顔が小さいのがわかる。花の香りに混じっていい匂いがさっきからしてドキドキする。
包むためのリボンやシートの色を伺いながら、丁寧に薔薇を包んでいく。
「もしよろしければメッセージカードを差し込みませんか？花束をご注文いただいた方にサービスで付けさせていただいているんです」
「あー、そう、ですね。付けます」
無料でお渡ししているカードを手前に持っていき、数本のペンを並べて渡した。包みながらチラチラとみていると、少し悩んで書くことを決めたのか思い切りよく書いていく
ピンクやオレンジなど、鮮やかなペンも渡したのに手に取ったのは黒色。達筆な字でスラスラと書いていく。
その間にも薔薇の花束は完成し、書きあがったメッセージカードを受け取ると中央に差し込んだ。
「大切な方にプレゼントですか？」
「あー、…はい。そんなとこです」
照れ臭そうに笑った男性は、とても優しい顔をしていて花屋で働いている醍醐味を久しぶりに味わった気がした。
出来上がった花束を渡すと大事そうに抱えて出ていった。テレビで見たことのある、そんな彼の幸せそうな顔は自分だけに留めておこうと思った。
薔薇9本の花言葉は、"いつも一緒にいてください"
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ばなを(プロフ) - 白雪さん» ごめんなさい！見落としてました(＞人＜;) お預けくらったFさんがこの後どうなるか…って感じですね笑 ありがとうございます(^^) (2018年9月19日 2時) (
レス) id: a966f57933 (このIDを非表示/違反報告)
白雪(プロフ) - ばなを様〜！今回も拝見させて頂きました。素敵ですね…梅雨ネタってこれですか！凄くにやにやしました。語彙力皆無なのですが許してください！次回作も楽しみに待ってます！ (2018年7月1日 23時) (レス) id: 9a25a9284f (このIDを非表示/違反報告)
ばなを(プロフ) - 蜜柑さん» ありがとうございます！店員の種類を増やして増産していきたいものです…。まだ完全復帰ではありませんが気長にお待ちください！ (2018年6月26日 13時) (レス) id: a966f57933 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - ばなを様ー！((*ﾟ∀ﾟ))このシリーズ大好きです！自分が第三者になった気分でニヤニヤしながら読みました笑再開ありがとうございます(*^^*)次回更新もこっそりお待ちしてまーす！ (2018年6月26日 10時) (レス) id: 8d3125b57e (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 久しぶりにばなをさんのお話を読めて嬉しいです。店員さんシリーズ大好きなんです(*'▽'*)気長に続きをお待ちしております、くれぐれもご無理なさいませんように… (2018年6月25日 23時) (レス) id: 21c2a763b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばなを | 作成日時：2016年7月11日 16時
