店員さんシリーズ

薬局店員(3) ページ18

「どれがいいの」


「んー…なんでもいい」



深夜帯で客も2人以外いないし奥に入ってきて見えてないと思っているのか、彼女が彼氏に密着し、きゅっと手をつないだ



か、かわいい！なるほど、このタイミングで手を繋ぐんだな

にしても随分声が低いな
風邪でも引いているのだろうか



彼氏のほうをみると外だからか一瞬躊躇した表情をみせたが、満更でもない顔がマスク越しでも分かる



「これでいい？」


「それやだ」


「何でもいいっていったじゃん」


「それはいや」


「はぁ…、てか前使った時そんなこと言ってなかったじゃん」


ふむ、使用経験済みのものがあるんですね



「ん、きもちいけど後が大変だからいや」


「あとって？」


「ずっと中熱いからむずむずする」



はぁーん、発熱するやつですか、割とコアなの使ってるんですねぇ



「なに、それが目的でこれ選んでたんじゃないの」


「………からだがもたない」



だめだ、わたしこの彼女ツボだ
かわいい、てか彼氏も絶対これ言わせてる
満足そうに目細くなってるよ



「ふーん、じゃあやっぱジェル？」


「それジェル多くてきもちいけど分厚いから好きじゃない」


「……じゃあ0.01？」


「…薄くてジェル多いのないの」


こ、この彼女ずいぶん積極的というかなんというか
…あ、あの、ちゃんとご所望のものもございます…



「ああ、これそうじゃない？」


「ん、」


「何でもいいって言った割にはちゃんとこだわりあんじゃん」


「…別に藤ヶ谷とできればなんでもいい」


「はぁ…お預けくらってわざわざ買いにきてんだから真面目に選んでよ」



ああ、ゴムの在庫が切れてたんですね…
途中でお預けとはお気の毒に…



「ゴムの管理はお前だろ」


「なんでおれなの。北山の家なのに」


「つけんのお前だけだろ」


まあそりゃそうでしょうね
そりゃ彼氏が管理するもんでしょ



「まったく…面倒くさいからローションも買ってこ」


「熱くなるやつは嫌だから」


「わかってるって。これにしよ」


「…なにそれ」


「ん？はちみつ味のやつ」


おお、それ選ぶのか…
数ある中からそれ選ぶのか



「ねえ、なんかやる事目に見えてんだけど」


「そりゃわざわざ味ついてんだからねえ」


あ、彼女耳真っ赤になってる
押せ押せのくせに押されると恥ずかしくなるタイプか、かわいい

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