店員さんシリーズ

コンビニ店員2(2) ページ13

今日は仕事帰りなのか2人ともいつもと違いおしゃれな私服だ



小さい彼、北山さんはイメージ通り少しやんちゃな雰囲気を残しつつ、年相応のシンプルな服で、靴や小物で遊んでいるようだ



サングラスの彼、藤ヶ谷さんはイメージ通りジーンズに黒のＴシャツ、腰にチェックのシャツを巻いていて見るからにイケメン、といった感じだ



目線を下ろし、足元を見るとまさかのムートンで驚いた



確かに今日は湿度が低くて風もあり、過ごしやすいとはいえ夏にムートン…



代謝が悪いのだろうか…
じゃなかったら夏にムートンなんて履けない…蒸れる…



「ちょ、先輩、あれってキスマイの2人っすか」



この前と同じようにマスクやサングラスをかけているのに後輩はすぐにピンと来たようだ



真顔のまま太ももを叩くとと何かを察したようだ



この前とは違い、二人は弁当のコーナーに向かった

やはり深夜帯のコンビニはBGMが流れているとはいえ、静かで彼らの会話はまる聞こえだ



「うお、焼肉弁当うまそ」


「いまからそれ食べんの」


「……うまそうって言っただけだろ」



あれは絶対食べようとしてたな
こっちから伸ばそうとした手が引っ込められたのが見える



藤ヶ谷さんは野菜スティックをカゴに放り込んだ



「お前うさぎかよ」


「は、肉しか食べないお前に言われたくない」


「食べますーいまサラダみてましたー」



何なんだこの2人
会話が中学生みたいだ



2人、というより北山さんがムキになってるだけなんだけど



結局北山さんはサラダと親子丼にしたようだ



「お前ほんとにそれだけ？」


「…こんな時間からそんなの食べれないよ」


「食わないと倒れるぞー」



カゴを覗き込んだ北山さんは飲料コーナーへと向かった



一方藤ヶ谷さんはスイーツコーナーへ



…なんだか弁当よりスイーツを選んでいるほうが楽しそうだ



すっと手を伸ばしカゴに入れたのは新作のスイーツ



見るからに女子が好みそうなものだ



ビールを片手に戻ってきた北山さんはそれをみて顔を歪めた



「なー、お前飯食えねえのにそんな甘いの食えんの？」


「質量が違うでしょ」

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