◆ ページ35
そしたら、正面のテレビ観てたテヒョンが、顔ごとゆっくりこっちを向いて、口を開けて…それから閉じて。
何回か躊躇うようにそれをした後、困った顔で首を傾げた。
TH「…俺も、よくわかんないかも」
ちょっと表現し難い顔で言った後、何か降った湧いたように、ぱんって弾ける感じで破顔して、
TH「でも、お互い初めてなことだらけなら、それってちょっと…楽しくない？」
って言ったから、私は、ん？て首を傾げて、
『でも待って？私は初恋だけど、そしたらテヒョンは何になるの？初体験？』
て、聞いた。
そしたら、破顔した顔がポカンとした顔になって、じわじわっと見てる前で赤くなってった。
TH「…なに、初めて同士なの？俺たち」
指摘されて、そこで初めて私も、その「初」って言葉の、あまりにくすぐったくて恥ずかしい感じが伝わって、たぶん、テヒョンみたいに赤くなった。
TH「初めての体験が、いっぱいの恋で、初恋？」
TH「俺たちの初恋、なんだかめちゃくちゃ素敵じゃない？」
テヒョンは上手いこと言ったみたいな顔してるし、それはそれは馬鹿みたいに恥ずかしい言葉だって思うんだけど。
嬉しそうにはにかんでニコニコしてるテヒョン見てたら、なんか胸が詰まって、上手な返事が思いつかなかった。
『…うん』
かろうじて出せた肯定だったけど、テヒョンは私の顔見て、ニコニコからデレデレの顔して。
TH「実ってよかったね。俺たちの初恋」
うわあ、言っちゃったよ、この人。
最高に恥ずかしい。
顔が熱すぎて、冷たい水でもぶっかけたいくらいなんだけど。
でも、
うん。
私も、そう思う。
実ってよかった。
私の、
私たちの、初恋。
＋＋＋
明日から C！ を始めます。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 892人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フネ55
| 作成日時：2023年4月22日 2時
