A、B、C！【TH】- 犯人はあなた -

今日:8 hit、昨日:20 hit、合計:126,327 hit

◆ ページ30

それから車が動く振動があって、

TH「もう結構な時間だよ。明日仕事なのに、ごめん。すぐ家まで送るから」

ってちょっと申し訳無さそうなテヒョンの声。

夢中になったのは私もだし、テヒョンが悪いわけじゃないって言いたいんだけど、口を開くのもおっくうで。

私は小さく、

『んー…』

って鼻声で返事を返した。

そしたらテヒョンが笑う声が聞こえて、

TH「Aが人間やめちゃった」

って。

やめたのかな。

どうかな…とりあえず、今シートにぺっとりくっついてる私はスライムか何かなんじゃないかなって思いはするけど。

とにかく、眠い…

TH「寝てて良いよ。着いたら起こすから」

優しい言葉に、なんて返事を返したんだか覚えてないくらい、すっと意識が落ちてった。

ゆさゆさって揺すられて誰かが優しく「起きて」って言ってるけど、ほんと目が開かない。

家のオートロックの番号教えてって言われるけど、もごもご口の中で言葉にならない。

私を揺すってるのがテヒョンだってわかってるけど、どうにもできなくて、

TH「しょうがないな…」

って声聞こえたけど、何がしょうがないのって聞くこともできないまま、私はまた深い眠りの泥の中に落ちてしまった。

すっごいちょうどいい固さのベッドが心地良い。

あとこの抱きしめてるお布団も、すべすべのシーツになんかいい香りがして、すっごい良い気分。

なんだっけ、私どっかリゾートホテルに泊まってたっけ…

TH「あ、起きた」

なわけない、ってぱかっと目を開けたら、至近距離で見つめるテヒョンの顔があった。

え、なんで？

何度かパチパチ瞬きしたけど、目の前のテヒョンは消えてくれない。

この寝具の感じから、ここは家じゃないわけだし、ちょっと周りを見渡しても…全く見覚え一つ無い高そうな調度品の入ってる寝室で寝てたっぽい。

『テヒョン？え？これ夢？』

とっさにテヒョンに問いただしたら、フフフって笑って

TH「現実だよ。ここジンヒョンのマンション」

って、夢よりも夢みたいな事言われた。