◆ ページ3
TH「でも友達は嫌だな。だって今後もそんなの増えてくでしょ？もっと近い存在がいい。身内にして」
テヒョンさんは、一人でくるくると百面相しながら、私にこれからの話をどんどんしてくる。
TH「オッパじゃなくて「お兄ちゃん」は、俺にして？他のメンバーに使ったらだめだよ。俺だけね」
『どうして？』
TH「どうしても何もないよ。特別感をちょうだいって言ってんの」
TH「ほら、呼んでみて」
不満げなのは口調だけ、口元はゆるく微笑んだまま、眼差しだけはなぜか真剣なテヒョンさんが、私を促す。
『…テヒョンお兄ちゃん』
何かの、確認だったのか。
テヒョンさんは、私を見つめたままゆっくりと瞬きして、
TH「…うん、いいよ」
くすぐったそうに、嬉しそうに笑った。
TH「どうやら俺は、
それでも、全然良いみたい」
この日以来、私とテヒョンさんは本当に、家族のような関係になった。
それは私がテヒョンさんが別々の人と結婚しても、ずっと。
テヒョンさんは、これから先ずっと、ずうっと私の韓国の「お兄ちゃん」でいてくれた。
でもそれは、まだ先の話。
今は、ただ。
『テヒョンお兄ちゃん…なんだか、変な感じですけど。急に私に今日明日中にやれ案件の無茶振りとか、常に上から目線でマウンティングとか、自覚ありの意図した人権侵害とか、…うちのお兄ちゃんそっくりになったりしませんよね？』
TH「Aのお兄ちゃん、そんな感じなの？めちゃ怖いじゃん。俺妹にそんなことしたことないよ」
ニヒッと屈託なく口を四角にして笑う、
この人がまた隣にいてくれることになったのを、
その幸せを、噛み締めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 682人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フネ55
| 作成日時：2023年4月19日 23時
