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言い返すと、ふっと笑う呼気が顔にあたって、
JK「目瞑ってるけど、ちゃんと俺がしてんだって認識してる？」
『自分が何を言ってるのか、わかってます？私のこと馬鹿だと思ってんですか？』
JK「違うよ。違う。そうじゃない。人が変わったみたいに大人しいから…ねえ、目を開けて」
聞いたことない柔らかな声が、優しく頬を撫でる指が、まぶたを撫でて、まつ毛を揺らす。
人が変わったみたいなのはそっちでしょ。
何その声。
どんな顔して、言ってんの。
請われるままに、そっとまぶたを持ち上げた。
JK「A」
あまりにも優しいその声に、驚きしかないよ。
あのトゲトゲって、こんなに落っこちるもんなの？
それと、その表情はどこかで見た。
たぶん、メンバーと一緒にいる時のあなた。
その時のやつに、
砂糖を10倍増しくらいでかけた感じの、
甘ったるい顔。
JK「ねえ、俺だよ？
ほんとに、キスしていいの？」
眉が下がって、
目が潤んで、
口元のほほえみが、
その表情全部で私への愛を叫ぶようだ。
その瞬間に、ジョングクさんは私の『お兄ちゃん』じゃなくなった。
私は、お兄ちゃんにこんな目で見つめられて、こんな風に頭に血が昇ったりしない。
ぶわっと感情が吹き上がるように
この人が欲しい、
なんて、
そんな風に思ったりしない。
いつからだったかなんて、私にもわからないけど、ジョングクさんは確かに、私にとって特別になってた。
気が合うと思ってたし、一緒に居て落ち着くし、嫌われてるってわかってても、そばにいて欲しかった。
つんけんされて前にみたいに話してくれなくなった時、ほんとに悔しいくらい寂しかった。
無理やりピアスを開けられた時だって、あの時の強引なキスだって、私の体は喜んでた。
テヒョンさんのキスも気持ちよかったけど、ジョングクさんとのキスとは、全然違ってた。
体の奥から、引きずり出されるような、深い感覚。
もう一度味わったら、確信に変わるんだろうか。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2023年4月19日 23時
