にばんめの恋 2【JK】- 私の初恋強奪事件 -

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◆You◆ ページ12

なんの用事か知らないけど、急に現れたジョングクさんに、部署全体が動揺してる。

もちろん私も。

もちろんジョングクさんの用事が私ってことにも、めちゃくちゃ動揺してるんだけど。

そうじゃなくて。

耳のことがあってから、

顔合わすのは初めてのことだから。

お腹の中にズンって重たいものが落ちてきて、私をキリキリ苛み始める。

ちらっと嫌な記憶を思い出しかけて、私は軽く頭を振りながら立ち上がった。

自然と足早になりつつ、入り口まで駆けて

『ちょっ…何ですか？私仕事中で…』

て声かけたら、私の背中を追いかけるように

H「いいよ、佐藤さん行ってきても。俺代わりにやっとくから」

て、ハラムさんの優しい声がした。

…私に貸しを作るような言い方をするこのハラムは、きっと永遠に私の味方をするつもりは無さそう。

む、と一瞬ハラムさんを振り返って睨みながら微笑んで、お礼がわりに会釈をしたら、全開の笑顔で親指立てた。

後で根掘り葉掘りの顔してる。

嫌。

ジョングクさんの前に立って、私はとりあえずこんなところじゃ、て促して、近くの空いてる会議室に足を向けたら…腕を取られた。

ぎく、とすくんでしまった私に、ジョングクさんが気付かないはずない。

でもジョングクさんは、穏やかな顔したまま私の腕を引いて、エレベーターまで引っ張った。

JK「このフロアだと、落ち着いて話できないから、移動しよ」

そう言って、ちらっと私の背後を見るから、振り返ったら、場所のドアから顔覗かせてた数人がと目が合った。

それぞれに愛想笑いで、私に手を振って引っ込んだけど。

…そうね、下手に会議室に入ったら、ドアの前で聞き耳立てられそう。

納得して、ジョングクさんを見上げて頷くと、ほっとしたような顔して、腕を離してくれた。