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実はテヒョンさんと話した後から、私は微妙に眠れない日々を過ごしてる。
でも夜眠れないなら、あんまり忙しくて終わってなかった荷解きやっちゃおって思って、開けたダンボールの中から、コロっと日本で買ったピアッサーが出てきた。
キンパ食べながらテーブルにそれ置いて、良い機会だから開けようかなって思うんだけど、さて…誰に開けてもらうかだ。
自分でなんて論外。
怖いよ。無理無理。
あとメンバーももちろん駄目。
そんなペンからしたら史上の、身体へのご褒美駄目だって。
私今絶賛、罪悪感で断罪中なわけだし。
そうで無くても、ピアス見るたびに開けてもらった人思い出すようなこと、しちゃダメでしょ。
そんなこと考えながらピアッサーを弄びつつ、キンパの最後の一切れ口に放り込んだら、ガタ、と音がして隣に誰か座ってきた。
珍しい、マネージャーさんたちの誰かかな、と横を見て…
私は少し微笑みながら会釈をひとつ、それから静かに立ち上がる。
JK「ちょっと、人の顔見て立ち去ろうとするの、何なの」
めちゃ久しぶりの反抗期お兄ちゃんなんだけど、お察しの通り私今戦えるようなメンタルしてないもんだから。
視線を合わさないようにして早々に席を立とうとしたの、どんっと私の足の前に長くてデカい足置かれて阻まれた。
治安悪っ。
『あ、ちょ…いやあの、私がいたら狭いなって』
JK「狭いことある?椅子バラバラの4人がけだよ」
『ジョングクさんの態度には、4人がけのスペースぐらいがちょうど良くないですか?』
あ、しまったつい…
て視線上にあげたら、びきって感じに青スジ立ってる。
JK「自分が何言ってるか、わかってんの?」
『あっ、すみません…韓国語、まだ難しくて…』
じりじりとジョングクさんの足に当たらないように気を付けながら、隣を通り過ぎようと歩みを進めたけど、遠慮のない腕が私の手首掴んで邪魔をする。
その瞬間、手に持っていた物がころりと。
音を立てて床に落ちたそれ、慌てて手を伸ばしたけど、一瞬速く、ジョングクさんの手が掻っさらった。
JK「何これ?ピアッサー?」
しまった…
拾われたら一番厄介な人に、拾われたかも知んない。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2023年3月27日 6時