◆You◆ ページ11
『休憩入ります』
HB「おー、行っといで」
私がテヒョンさんをお断りしたって報告は、テヒョンさんにそれ告げた直後、そのままマネージャー部屋にいたセジンさんたちに全部伝えた。
撤回も後戻りもするつもりなんか無かったから、率直に。
みなさんすごく驚いて、なんで、て質問責めにあったけど、一つ一つ返事をしてったらなんとなくわかってくれたみたいで。
そんて、みなさんほんと大人だから、そんなこと別に何の支障もないって顔と態度で、普段通りに接してくれてる。
すごくありがたいけど、いっそ詰ってくれても良かったのになって思う。
そうしてくれたら、お断りした時からずっと私の足を引きずってるこの酷い罪悪感を、少しは削ぎ落とすこともできたのに。
長い話にはならない、てテヒョンさんを呼び出して、使われてない会議室で
『ごめんなさい。私やっぱり無理でした』
て、告げた瞬間。
テヒョンさん、二度と思い出したら駄目ってくらいの顔してた。
人って、こんな顔して死んでくのか、て。
その殺人犯は私なんだけど。
大事な人が傷付くと、自分も同じくらい傷付くもんで。
張本人の私も実際、通り魔に胸を一突きされたのかってくらいの痛みで、息をするのも辛かった。
『牛肉キムチじゃがいもチーズキンパください』
食堂でいつもの日替わりキンパ頼んで、日当たりのいい席に座る。
そろそろ夏の日差しが差し込むようで、ちょっと暑いくらいだけど…気を抜くとウジウジしそうな気持ちを日光で焼き払って欲しい気持ちもあって、あえてそこ座った。
胸はじくじく痛むけど、お腹はちゃんと空くもんで。
しかもこの日替わり、ほんと毎日内容変わって飽きる気しない。
ふとポケットに入れてたピアッサーの取り出して、パッケージ裏の使用方法読んでみた。
二十歳になったら、やりたいことがいくつかあって。
その内の一つが、
ピアスを開ける、
だったんだけど。
誕生日過ぎた直後からのこの怒涛のソウル生活で、すっかりそのこと忘れてた。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2023年3月27日 6時