にばんめの恋【JK】- 私の初恋強奪事件 -

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7月も後半にさしかかり、メンバーの皆さんは来月のファミコンの全体練習とか、衣装合わせとかでバタバタしてた。

でもそれが終わってからの長期休暇が楽しみなのか、ウキウキした雰囲気で全体的に和やかな雰囲気。

ダンスのレッスン室に飲み物持って行って所定の場所に並べていたら、私を見付けたテヒョンさんが汗だくでやってきて、

TH「ねえ、どっか行こうよ。海とか、山とか」

てニコニコしながら言うから私もつい口元緩めて、側に置いてあった汗を吹く用のタオルを差し出すと、体かがませてそこに顔を埋めてきた。

『ちょ、自分で拭きましょう？』

TH「汗拭くことには変わりない」

何をもっともらしいこと…て思いつつ、ワシワシ顔を左右に擦られるのは正直あざとかわいいのは間違いない。

なんか犬みたいだなこの人、って思いつつ

『て言うか、私は普通に仕事ですからね？』

て返事したら、がくぅって感じで項垂れて、タオルの隙間から哀れっぽくちらっと私を見上げた。

今度は捨てられた犬みたいになったのを、苦笑してながめてたら、

HS「でもAもこっち来て全然観光してないんでしよ？随行とか同行とかの範疇で、どっか行ったら？」

ホソクさんが鏡越しにそう言ってきて、余計なこと言わんでいいのに、て思わず眉を下げちゃった。

テヒョンさんはホソクさんの言葉を受けて、背筋をぴんと伸ばして、タオルを差し出す私の手ごとそっと掴んでブンブン振ってきた。

TH「なら、おすすめのドライブスポットあるよ！山行く？」

『山…』

山、は行きたい。

しばらくサイクリングしてないから、ちょっと空気の良いところ走りたい…

私が迷ってるのがわかったのか、テヒョンさんは低音のキャンキャンで私にドライブを推してくる。

それはジミンさんがテヒョンさん捕まえて、通しもう一回だぞーつって練習再開するまで結構しつこく続いてた。

ほんと、ホソクさん余計なこと言ってくれたなあ。

私も山行きたくなっちゃったし、テヒョンさんは連れてく気まんまん。

でも私、

その頃にはもう私、

テヒョンさんのことお断りする予定だから。

そんな楽しい予定、たてらんない。