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キスが解けた後も私は余韻から抜け出さなくて、荒くなった呼吸を整えようとしつつ、逃げたいとはもう思わなかった。

目を閉じてても、視線の熱さでテヒョンさんが私を見てるのがわかる。

感じてたのはもうバレてるし、正直重なってる体温も不愉快じゃない。

むしろ心地良ささえ感じるくらいで、自分が自分で信じられない。



TH「ファーストキス?」


そんなこと、聞かれると思ってないから、返せる言葉はなかった。

無言でいたら、

TH「今すぐ目を開けて、返事をしないとこのまま抱くよ?」

て恐ろしいことさらっというから、慌ててパカっと目を開けて、


『黙秘権を行使します』


てその場しのぎの返事を返す。

TH「ほんと、難しい韓国語知ってるね」

私を見下ろすテヒョンさんは、瞳がまるで濡れたように光って、息を呑むほどエ ロい顔して、私を見てた。

それが、発 情した雄の顔だって私の耳元で本能が囁いて、思わず身をすくませたけど。

それが、怯えたからなのか何かを期待したのか、ちょっと堺がわからなくて、とっさに顔を逸らして視線から逃げた。

TH「ねえ、はぐらかさないでおしえてよ。キス、俺が初めてだった?」

そらした結果、テヒョンさんに差し出すようになった耳に、息が掛かる位置まで寄せたテヒョンさんの、低くてかすれた声が。

『…っ、も、黙秘権…』

TH「それ、もうやめて。今すぐ答えないなら、今度は手加減なしでやる。初めてじゃないなら、いいよね?」

明らかに苛つきを滲ませた声が、唇が私の耳たぶべろりと舐めて、その言葉がただの脅しでも冗談でもなく、そのつもりだって意思を私に伝えてきた。


アレで手加減してたって?

嘘でしょ。


『あ!初めてです。初めてでした。もう結構です』

慌てて顔を元に戻して、舐められた耳を押さえて守って、必死になって首を振った。


ジョングクさん?

あれはただの肉の接触で、キスじゃなかったって私の中ではノーカウントにしてるから、嘘じゃない。

◆→←★



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設定タグ:防弾少年団 , ジョングク , テヒョン   
作品ジャンル:タレント
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作者名:フネ55 | 作成日時:2023年3月27日 6時

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