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あんまり鋭く切り込まれたから、私はとっさに閉じてた目を見開いて、そう答えてしまったけど、答えてから気付いた。
完全に、返答間違えたって。
私の言葉にテヒョンさんがどれだけ傷付くか、考える余裕がなかった。
こんな言葉で、私が誰かに何かされたんだって確信を、テヒョンさんに与えてしまうなんて、良く考えたらわかったことなのに。
『あっ…、その、誰かが原因とかじゃなくて、ほんとサブマネ業が私には荷が重たかったってことで…』
言い訳めいた私の言葉が上滑りしていくのを、自分が一番痛いと思ってる。
いっそ黙ってた方がましかと思って、ぎゅっと唇引き結んでだけど、両頬掴まれてる状況が息苦しくて仕方がない。
手を上げて手首を掴んでみたけど、びくともしない。
しばらくの無言の後、ふっ、と漏れたテヒョンさんの苦笑はひどく自虐的な響きだった。
TH「…慣れてるなら。
俺にもちょうだい」
慣れてる？何に？
ちょうだいって、何を？
って、ああ。
これか…
人って驚きすぎると逆に冷静になるよね、ての今体験してる。
テヒョンさん、
私に、
キスしてるよ…
『…っ、う…』
顔を避けようとしても、テヒョンさんは最初からこれを狙ってたのか、両手で頭をホールドされて全然動かせない。
こんな合意のない行為。
ジョングクさんので思い知ったけど、
お互いを殴り合うようなもんだよ、
テヒョンさん。
触れるそばからネガティブになって、
良い結果になんてならないんだよ？
私はなんとかやめさせようと、私の頭を固定してるテヒョンさんの手首掴んで動かそうとするけど、びくともしない。
そうこうしてる内に触れるだけのキスが、ちろって唇を何か湿ったものが舐めて来て。
『っや…！！』
それこそ顔を背けようとしたのに、テヒョンさんの指が、私の耳の…まだ痛みが残るゴールドのピアスを、ぐっと押した。
『った…！！んっ…、！っつ！！』
咄嗟に苦痛の声を上げたら、唇を割って、にゅるって。
あ、
いや。
この感触、忘れようとしてたのに。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2023年3月27日 6時
