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TH「さっき抱きしめた時も、ちょっと味見した時も、今ここで座ってるのも。多分、俺だけこんな焦って、馬鹿みたいに興奮してるんだ」
そんな風には、見えないけど。
ただ、そう見えなくてもテヒョンさんはポーカーフェイスで突然ぽっと火がつく行動するってのは、よくわかってるから少しだけ警戒して
『…興奮…してるんですか？』
探るように聞いてみたら、
TH「しないわけないでしょ。
わざわざ聞くの、意地悪ですよ」
とろっと零された言葉が、
じりっと私を焦がすような声で。
そらしてた視線が、横顔のまま私をひたりと見据えて、ちょっとすがめるように見つめて言った。
TH「好きだって言った男を簡単に部屋に上げたりして、無防備すぎない？」
あ、生唾が。
ごくって私の喉を通ったよね。
やばいか、やばかったか。
テヒョンさんの過去の行動を振り返ってこれからどんなことしてくるのか想像しても、全然わからなくて焦る。
え、いや、待って。
『冗談？』
ワンチャンそれも、って聞いてみたら、はあ？って心底がっかりした顔された。
『あっ、侮蔑の表情美しいですね』
思わず場を濁すように茶化したけど、吸血鬼が下等生物見るみたいな目で細めるだけで私を黙らせた。
テーブル越しのテヒョンさんは、ハラハラしてる私をよそに、ちょっと手を挙げるてその長い腕が伸ばすから、私は一瞬身をすくませて…その指が私の耳をつんっと触るのを受け止めた。
TH「…ピアス、前無かったのに」
その声色はまるで見てない間の私の変化を詰るようで、私はますます居心地が悪くする。
テヒョンさんは耳たぶのそれをふるっと揺らして、それから軟骨のやつをちょっと撫でて、ぞくっと何かが耳の後ろから背中にかけて走ったけど、歯を食いしばって体が震えるのを我慢した。
私の奥歯、ほんとそろそろ無くなると思う。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2023年3月27日 6時
