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『セジンオッパか…』
なんか照れる…ってニヤニヤしながら、カット台に座ってたら、お客様、って肩トントンされて、美容師さんに
「良いんですか？ほんとに」
って確認された。
あ、忘れてた。
これからカットしてもらうんだった。
鏡の前の私は、もうすっかり準備万端で、ハサミが入るのを待つばかり。
『いいです。ばっさりお願いします』
ざく、ざくっとハサミは遠慮なく入っていって、瞬く間に美容師さんにスマホで見せたホソクさんの髪型になってく自分をちょっと浮足立つような気持ちで眺めてる。
実は、ショートカットは、生まれて初めてする髪型なんだよね。
北海道は寒いから、襟足短いとそれだけで風邪ひきそうで、私は物心ついた時からずっと髪を長くしてた。
それで三つ編みにして、首に巻いて、マフラー代わりにしたりして。
チクチクするのは嫌だから、そのためにトリートメントに気をつけたりして。
「はい、どうですか？」
特に巻くことも色入れることも無かったから、カットはほんの一時間であっけなく終わった。
鏡でバックスタイルを確認させてもらいながら、一度首を振ってみたら、驚くほどに頭が軽くてびっくりする。
『うわー、私の頭、こんなに軽かったんだ…脳みそ…無いかも…』
「いや、あるでしょ。髪って結構重たいですからね。こんなに長かったから、そりゃ新鮮かも？」
新鮮なんてもんじゃなく。
ほぼ感動レベルで軽いです。
男の子って、こんな頭軽いんだ。
最近良く脊髄反射で動くのばっか見せられてるから、こいつら脳みそないのかな？って思うこともあるけど。
物理的な意味でも、軽いのね。
思ったよりも前髪が長いスタイルだから、短いからってそのまま無造作にするのはNGで、目に入らないようちゃんとスタイリングで流す方法教えてもらったり。
結構手間かけておしゃれヘアしてたんだなって、ホソクさんのこと考えたり。
「お客さん、頭小さいし首細いから、マッシュなショートお似合いだね」
なんてリップサービスに気を良くして、良い気分で店を出て、それからもらった時間が許す限り、着るもの買い足してホテルに戻った。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2023年2月16日 16時
