◆You◆ ページ14
JK「飯戻ってきたらカトクするから、もう一回俺の部屋来て」
そう言ってジョングクさんは、私を追い払うように、部屋から追い出した。
私は今日も部屋で一人コンビニご飯の予定だったから、VIPフロアのSPさんに頭を下げつつ、エレベーターでスタッフ用のフロアに戻る。
お財布持って、もう一度部屋を出て、またエレベーターの前に立った。
このホテルはコンビニ併設だけど、２日続けて同じ品揃えは飽きたから、足伸ばそうと周辺のコンビニを検索しながら、チン、とエレベーターの止まる音がした。
『あっ』
井「お、佐藤さん。今日は食事行くんですか？」
開いたドアの中には、今から車でメンバーと同伴なんだろう井上さんが乗ってた。
私より上のフロアに泊まってたのか、と軽く会釈しつつ
『いえ、急ぎの仕事片付けるんで、今日もコンビニです』
って、返事を返した。
井「せっかく日本に戻ってるのに、美味しいご飯行かないの？」
かわいそう、て同情が目から溢れてて、私は苦笑しつつ
『静岡で期待します。とりあえずやっておいたら後が楽ですし』
って、当たり障りない返事で濁した…のに。
井「テヒョンさんに顔合わせないようにしてるの？」
胃の中、ぞっと冷えた。
今顔見たら思う壺だから、数秒待って、横に立ってる顔見上げる。
井上さんはわりと背が高くて、思った位置に顔がなかったけど、その酷薄そうな唇見つつ、
『空港での話なら、今話せることじゃないので、ごめんなさい』
ってはっきり言った。
薄い唇が、にっと愉快そうに笑ったから、思わずチラッと視線を上げたら
井「満点の回答だと思うよ。サブマネ、向いてるんじゃない？」
て、すごく冷静な目して、私に花丸をくれた。
試された私…
面接官するような管理職の人、怖っ。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2023年2月16日 16時
