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HB「食事先はここから来るまで15分くらいかな。まだ全然宵の口だと思うから、焦らず行こう」
私に気を使ってそう言ってくれたホボムさんが呼んだタクシーに乗り込んで、助手席にホボムさん、後ろにテヒョンさんと二人並んで座った。
TH「疲れた?ライブ、面白かった?」
テヒョンさんがタクシーの窓に肘ついて、頬杖付きながら私にそう聞いてきた。
なかなかの麗しい角度だな、って思いつつ、目の毒なのですっと視線を逸しつつ
『すごく、すごく楽しかったです。皆さんすごく素敵でした』
そう伝えたら、そう?って言って黙り込むから、ちらっと視線を流すと、テヒョンさんは思いの外嬉しそうに目を細めて、唇だけで笑ってた。
TH「語彙、なくなるくらい良かったなら、相当だね」
からかってんだなって思ったけど、感動を伝える言葉はまだ未習得で、上手く言葉が組み立てられない。
どう言ったらいいかな、って思って無意識に顎に手を当てようと、シートの上に置いてた手を持ち上げたら、その手がとん、って何かに当たって持ち上がらなかった。
あれ、って思ってそれを見たら、私の手を中空で受け止めてるテヒョンさんの手があった。
あ、って声は、テヒョンさんが頬杖ついてる手の指立てて、しーってするから反射で飲み込む。
後で思ったけど、この時大きな声出したら良かったのに。
そっと覆われるように重なって、指の間に指が入り込んで。
ぎゅ、って握られたとたん、
ぎゅわってなんか、
胸が、
痛いような、
甘いような感覚に襲われて。
息が詰まった。
あれ、これ私、どうしたらいいの?
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作者名:フネ55 | 作成日時:2023年1月30日 20時