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H「佐藤さんは、ソウル初めて？」
『そうです。でも、街並みは日本みたいですね』
H「なに、韓国語めちゃくちゃ流暢、なんで？」
『仕事で使いそうだからずっと勉強はしてて。あとはここ半年くらい暇あったら、無料トークアプリでひたすら韓国人と喋ってました』
H『コミュ力こわい』
ハラムさんは運転しながら、わりとフランクに世間話をしてくるから、私はちょっと不躾に、
『ハラムさん、私一人だけを迎えに来てくださったんですか？』
って気になってたこと聞いた。
空港まで迎えに来てくれるって、それ中途採用に対して、過保護すぎない？
行き方教えてくれたら普通に会社にいきますよ。
そりゃ、海外だろうが社会人だもの。
H「ヤア、そうだね。アー…佐藤さんに入ってもうお仕事が、チームでするもんで。時間厳守になってて、会社の都合のことだから気にしないでいいからね」
あ、それならわかる。
私はそれはご丁寧にって言いながら、もう一つ気になってることを投げた。
『私、なぜ採用されたか知ってますか？あと、なぜソウル勤務なんですか？』
おっと、一つじゃないね、二つだね。
H「ええっ、僕はそこまで知らないって。ここに佐藤さん迎えに行ってて、頼まれただけだからさ」
『まさか』
H「何が、まさか、なのかな。ほんとだよ〜。僕は海外事業の営業部所属で、今朝たまたま暇してた、しがないいちサラリーマンですって。佐藤さんとは部署も違うし、ほんっと使いっぱしり」
手をひらひらさせて言うハラムさんに、私は、えって声をあげてしまった。
『部署違うんですか？私てっきり、ハラムさんが上司なのかと』
だってわざわざ、迎えに来てくれるくらいだし。
何よりちょっと、馴れ馴れしい。
ぐいぐい来るから、これから一緒に仕事するからその距離感とか思ったんだけど。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2023年1月19日 17時
