◆ ページ35
歓迎会の後真っ直ぐ家に帰った私は、ソウルに着いてからの怒涛の時間にくたびれ果てて、風呂して眠った。
そりゃもう、泥みたいに。
朝起きて、家じゃ無い天井をぼんやり見てたら、なんか一人で海外来てる、しかも働きに、てことがじわじわ実感してきて。
あとはテンション上がっちゃって、荷物の片付けしたり、周辺のお店とか見に散歩に出たりして、生活環境の確認と開けて始まる仕事の準備して過ごしたら。
初日から早々に始まったこの忙殺に、本気でテヒョンさんのこと、すっかり忘れてた。
なんならメンバーのことも、頭から抜け落ちてた。
セジンさんから、最初の数日一緒に過ごした後に、
S「Aさん男と仕事してるみたいだよ。20歳?ほんとは35歳くらいなんじゃない?感情がほんとフラットですごく良い。そのままいてね」
て言われたけど、はしから突っ込みたい。
男とは?フラットとは?
35歳って具体的な数字は?
セジンさんの感じからして、私に色気が無いってことじゃなさそうだし、メンバーに対して浮ついた感じがないってことかな。
そもそも直前まで良く知らないアイドルだったから、当たり前だと思うけど。
ただ、テヒョンさんに関しては…
ひら、と、手のひらを広げて、久しぶりに触れたテヒョンさんの手が、記憶よりも大きくて、男っぽい指だったなって思う。
化粧落としてた顔は、やっぱりジンさんと同じで、めちゃくちゃ美形だけど、どこかあどけなさも残ってた。
てか、同一人物ややこしい。
あの時は、ジンさんの手だったけど。
もう、記憶の中でもテヒョンさんの手だって思うくらいには、あっさり切り替えてる。
ん?待てよ。
そしたら、
あの私の淡い初恋未満は、
テヒョンさんだったってことに、
なる?
1081人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:フネ55 | 作成日時:2023年1月19日 17時