◇TH◇ ページ28
Aが立ち去った後に、つねられた膝とあの小さな手に触れた熱を思い出すように、さすさすにぎにぎしてたら。
隣にどさっと誰か座る音がして、
JK「ヒョン、何してんですか？」
て、不機嫌な声。
「何が？」
横も見ずに返事したら、チッて治安の悪い舌打ちするマンネがいる。
ヒョンに対して失礼じゃない？て思うけど、それよりも俺は。
Aが俺の目を見て、
俺の名前呼んで、
俺と手繋いで、
俺の隣で笑ってることに。
ちょっとした感動を覚えるとこだったから、全然気にしない。
JK「あきらか、不自然ですよ。ヒョンの仕業でしょ？」
そんな俺に、グクは不満と不信をモロにぶつけて来る。
JK「会いたいから、呼んだってこと？」
それは、間違いない。
JK「そんなくだらない事に、俺ら全員巻き込まれてるんなら、迷惑だよ、ヒョン」
それは、ちょっと違う。
俺はようやくグクの方見ると、足を前に投げ出して、俯いて、不満を体現してるみたいな格好になってるグクに、どう説明したら伝わるかと思案した。
「…コネとか、やってないよ。彼女が望んで採用試験受けて、彼女自身の実力で、適正に入社してるよ」
JK「サブマネも？」
「それはちょっと、お願いした」
JK「してんじゃん」
ほらな！て鬼の首とった感じで嫌な顔したグクに、ちょっと笑った。
いいじゃん、それくらい。
職権濫用、全くしない俺たちだよ。
良くも悪くも、会社にとってものすごく従順な、良い稼ぎ頭してきてるじゃん。
だから、いいでしょ。
Aくらい。
人生かけて、引き寄せたんだから。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2023年1月19日 17時
