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ドアはかなりスモーキーなガラスでできてて、中は見えなくなっていたから、開けた先が結構広くてさすがにちょっとびびる。

そんな私を面白がってるのか背中をずいっと押してくるから、このハラムいつか殴ると思いつつ、一歩、中に。



会議室のような場所だと思うけど、机は無くて、奥が応接室のようなソファとローテーブル、モニタなんかが設置されてた。

多目的な部屋かなと、落ち着き無くきょろきょろしそうになるのをこらえて、背筋を伸ばす。



社会人になってから、覚えたことと、決めたこと。





背筋は伸ばす。

ヒールは何言われても3cm以下。

仕事の時はスカート履かない。

何言われても、何されても絶対に弱いところは見せない。



怖い時ほど、動作はゆっくり。



視線はうろうろさせちゃだめ。






あとはとにかく、笑え。





かわいく、じゃなく、きれいに。





よし、と思って部屋の中を見渡すと、視線の先に何人かの人だかりがあった。

ハラムさんが何も言わずにドア開けたもんだから、なんということでしょう…中の人が私に気付いてないじゃないですか。

ここまでって言ったくせにまだ後ろにいるハラムさんを振り向いて、目を剥いて訴えたけどにこにこして全然話にならない。

このハラム、完全に観客席のつもりだな。



よし、このキムは絶対そのうち殴る方のキム・ハラム。

もしくは親睦会とかで酔ったふりして、その綺麗にセットしたツンツンの爽やかヘアの頭にビールかける。



だってひどくない?



自国じゃない国の誰とも知らないチームメイトに、私から話しかけなきゃいけないとか、どんな試練なのかっていうの。

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作者名:フネ55 | 作成日時:2023年1月19日 17時

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