六話 炭治郎side ページ8
那田蜘蛛山での戦いから何日か経ち
俺たちの怪我も徐々に回復しつつあった
それでも1日中ベッドの上にいなきゃいけなかったけど
隣には善逸も伊之助もいる
善逸はいつも通りうるさかったし
賑やかな毎日だった
それに今日は、那田蜘蛛山での仔細報告で柱合会議に召喚された
先輩の村田さんもお見舞いに来てくれている
「柱、ほんとこわい…最近の隊士はめちゃくちゃ質が落ちてるって怒られてさ…」
案の定愚痴ばかりだったけれど
村田さんの顔を見ることができて、俺はすごくホッとしていた
あの那田蜘蛛山での戦いが終わった後
村田さんの怪我の様子など詳しく聞かされていなかったからだ
『あら、村田くんじゃない』
村田さんが愚痴を言い続けていた時、そう声をかけたのは
琥珀色の目の、優しげな顔をした女の人
名前は確か…
「楡!」
ああそうだ
楡Aさん
俺たちに薬を処方してくれた人だ
「こないだ頼んでた薬、送ってくれて助かったよ」
村田さんが言った
彼女、いつも部屋にこもってるみたいだから
アオイさんたちより会う機会がなくてあまり関わらないんだよな
『いいのよ。また足りなくなったらいつでも言ってちょうだい』
そう言ってAさんは
またね、と村田さんと俺たちに手を振り
いつものように奥の部屋へと入って行った
「親しいんですか?」
「え?ああ、楡のこと?まあ同期だからな」
「同期?」
「うん。あいつ凄かったんだよ。」
Aさんは、村田さんや同じ同期の冨岡さんより年下だけれど
冨岡さんと肩を並べていたほど実力も実績もあったのだと
村田さんは話してくれた
「鬼も50体近く倒してたからな。仮に柱に空席ができだとすれば、冨岡に次いで柱になる可能性も1番高かったんだ」
「じゃあ今はどうしてここに?」
それを聞いた瞬間
村田さんの表情が曇った
「それは…」
「?」
「…俺の口から言うのは、少し荷が重すぎるな」
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作者名:まままんぼう | 作成日時:2019年12月15日 11時