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アイミ「もっかい、行ってきなよ」
「むり、」
アイミ「このまま、お別れになってまうで」
「それも、…………むり」
わたしはもどかしかった。
なにがしたいんだ。
いまの一瞬も、次の一瞬も、一緒にいたいだけだ。
小瀧くんと、笑ってたいだけだ。
アイミ「ほら、行ってきなって〜」
「………うん」
大丈夫、お昼までまだ時間はあった。
最初から言う言葉を決めておこう、と、好きです。好きだよ。好きでした。
好きって言葉を並べていく。
ケータイと鍵を財布だけもって、走り出す。
なんて話しかけようか。
どうやったら、泣かずにお別れが言えるだろうか。
彼はわたしのこと、どう思ってるんだろうか。
そんなことばかり考えて、息が上がってるのにも気づかなかった。
.
「…………え、なんで」
やっとついた小瀧くんの家は、誰もいなかった。
時計を見れば、まだ10時前。
小瀧くんは、嘘をついたのかもしれない。
それか普通に間違えたのか。
とにかくどっちでもいいから、小瀧くんがいってしまう前に言いたいことがあった。
新幹線のホームまでわたしは、また足を動かした。
.
小瀧side
ムカついてた。
あいつにもおれにも。
時間間違えたし、あいつくるはずないし。
『望くんって、一回しか呼んでくれへんかったやん』
きっと忘れてるんやろう。
こんなお別れはいやだった。
あいつは、この半年でおれのなかで大きな存在になったから。
だからなおさら、こんな終わりかたはいややったんや。
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楓花(プロフ) - Moekoさん» ありがとうございます!甘噛みも水しぶきも読んで下さりとてもうれしいです!ありがとうございます!水しぶきの方は甘噛みより書き方がグダグダでしたが、そう言ってもらえてとても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2018年3月26日 23時) (レス) id: 6fd2095d8d (このIDを非表示/違反報告)
Moeko(プロフ) - 甘噛みピアスを読ませていただいて、楓花さんの小説の書き方にハマりました!それで、この小説を見つけて呼読んでみたら、後半泣いてしまいました!とても、良かったです!これからも頑張ってください! (2018年3月26日 16時) (レス) id: 1f431c2243 (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - 綾小瀧さん» こんな昔の作品を読んでくださり、ありがとうございます!泣かせるつもりはなかったんですけど(笑)感動してくれたのなら嬉しいです!これからも頑張るので、よろしくお願いします! (2018年3月8日 16時) (レス) id: 3e07948000 (このIDを非表示/違反報告)
綾小瀧(プロフ) - 後半、涙が止まらなくなってしまいました。本当におもしろかったです!これからも頑張ってください! (2018年2月27日 16時) (レス) id: d50cc77518 (このIDを非表示/違反報告)
楓花(プロフ) - こたきしょこらさん» ありがとうございます!泣かせる気はなかったんですけど、そう言ってくださりうれしいです。これからもがんばります! (2017年8月29日 17時) (レス) id: 3e07948000 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楓花 | 作成日時:2017年6月5日 22時