赤い牙*61 ページ11
*
人間界は、クリスマスムードだ。
宏光のクリスマスプレゼントを買い、家に帰った。
喜ぶ顔を想像して、顔が自然とほころんだ。
時計を確認すると……15時。
宏光がバイトを終えてから来ると約束していた17時まで、まだ時間があった。
……書斎行くか。
2時間あれば、十分本を探せるだろう。
いつものように着替えて、実家へ。
ホコリ臭い書斎を歩き回っては本を開き、また歩き回っては本を開き……
どうしてこんなにたくさんの本があるのに、天使との関係の書かれた本が1冊もないんだ、
また新たな本を開いて目を通していると、重い扉の開く音がして、コツン、コツン、と誰かの足音が書斎に響いた。
「……太輔、またお勉強？」
「…母さん」
「近頃随分、熱心になったわねえ…前は勉強の話をするだけで、怒るほどだったのに」
…宏光との関係を注意された時だ、と思い出す。
「ああ…そんなこともあったな」
「……あの子とは、まだ仲良くしてるの？」
「え？…ああ、まぁ……」
「…そう。それじゃ、お勉強頑張ってね」
母さんはそう言うと書斎を出ていった。
……俺は今、何を聞かれたんだ？
母さんが用もないのに、わざわざ地下の書斎まで来て、俺に声をかけた理由がわからなかった。
一一
人間界に戻ると、宏光が既に部屋に来ていた。
「あ、わり……待たせた？」
「ううん。今来たところ」
「そっか。おつかれ」
宏光が近づいてきて、ぎゅ、と抱きついてきた。
「…この服、本当かっこいい」
「…はは、宏光これ好きだな」
俺の言葉に顔を上げた宏光のやわらかい唇を、一度だけ啄んだ。
「んぅ…もっと〜」
「なにそれ、かわいい」
抱きしめたままで、角度を変えて何度もキスをした。
「…ヤバ、したくなっちゃう」
「…え！いや、先にごはんとか食べようよ」
「…我慢する」
宏光の至極真っ当な提案に、折れる他なかった。
デリバリーでクリスマスらしい食事とケーキを頼んで、一緒に食べた。
お互いに用意したプレゼントも、交換し終えた。
俺からは、羽のモチーフのついたペンダント。
宏光からは、お揃いのリングをもらった。
「うわ！俺リングにするか迷ってたから、リングにしなくてよかった〜嬉しい！」
「別に2人とも買っちゃったら重ねてつけたらいいじゃん」
もちろん夜は、普段よりもゆっくりと甘い時間を過ごした。
…ずっとこんな時間が続いてほしい、と思った。
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あこ(プロフ) - 早速赤い牙が更新されていてうれしいです！やっぱり天使なKさんがかわいくてしあわせです。しょこらさんのペースで更新されるのを楽しみにしています。 (2020年5月27日 0時) (
レス) id: 2d7ec12d07 (このIDを非表示/違反報告)
しょこら(プロフ) - みちこさん» みちこ様。はじめまして！読んでいただきありがとうございます！ゆっくりにはなりますがまた更新頑張りますので、読んでいただけると嬉しいです♪ (2020年5月26日 10時) (レス) id: 06e5afaa35 (このIDを非表示/違反報告)
みちこ(プロフ) - 初めまして^_^このお話好きで読んでいました。暫く更新なかったようなので更新されてとても嬉しいです^_^楽しみにしていますがしょこらさんのペースで無理なく(^^) (2020年5月26日 8時) (レス) id: c83a8a8018 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - しょこらさんはじめまして！しょこらさんの作品どれもだいすきです！特に熱中症シリーズのFKさんがラブラブで最高でした！赤い牙の続きも楽しみに待ってます！ (2019年2月25日 20時) (レス) id: 2d7ec12d07 (このIDを非表示/違反報告)
しょこら(プロフ) - ともさん» まだ書いたことがないのですが、できる限り善処致します！リクエストありがとうございます！！ (2018年11月21日 23時) (レス) id: ef72d80421 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しょこら
| 作成日時：2018年11月16日 11時
