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幼き頃の思い出が曖昧に蘇る。
ぼんやりと、はっきりしないその記憶。

初めて彼を見たころ。

俺はもがいた。その想いに溺れぬよう。
もがいて、もがいて、自分の感情にさえ気づかないほどに。



いや、気づいてたのかもしれないね。

認めたくなかったんだ。
だから、故意に境界線を引いた。..彼奴との間に。

痛みを知ってしまうくらいなら。
その酸素の足りない苦しみを知ってしまうくらいなら。

そうして、熟れかけの熱情を隠した。



今の今まで。



「中島、」


相変わらず窓に額を当て、意識もはっきりしているのかが
曖昧な此奴。

暖房の重たい空気に自分の声が沈む。




「もし、俺が――――.....」




いつもと違う雰囲気に気づき始めた俺に、中島は顔だけ動かす。


「中島に、好意があるって言ったら..どうする?」




どくどくと脈が異常なほど早くめぐっている。
その振動が更に鼓動を早ませた。


「今更何言ってるの。俺も菊池が好きだよ。」




息をのんだ。


「相棒として。」




後悔と哀の刹那に、中島の優に微笑む姿が浮かんだ。

嗚呼、ここは現実なのだ。

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設定タグ:中島健人 , 菊池風磨 , ふまけん   
作品ジャンル:恋愛
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林檎シュガー - 紗々さん» 読んでいただき、そして嬉しいお言葉をありがとうございます。そう思っていただき、書いてよかったと思いました。途中、何度も投げ出したくなったのです。(笑)今後は、書きたくなったらまた書くかもしれません。最後まで読んでいただきありがとうございました。 (2019年3月28日 12時) (レス) id: a00a1366dd (このIDを非表示/違反報告)
林檎シュガー - もったいないかもしれません。こちらこそ、素敵な温かい感想をありがとうございます。長くなってしまい、申し訳ありません。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 (2019年3月28日 12時) (レス) id: a00a1366dd (このIDを非表示/違反報告)
林檎シュガー - ドールさん» 読んでいただき、そして嬉しいお言葉をありがとうございます。私も書いていて楽しかったので、そのように感じていただき嬉しいの一言です。恋愛において、普通というのは存在しないと私は思うのです。ただ、その自分の気持ちを綴っただけなので、素敵という言葉は (2019年3月28日 12時) (レス) id: a00a1366dd (このIDを非表示/違反報告)
紗々(プロフ) - 言葉や表現がすごく素敵で、話の展開も面白くてとても好きな作品です。また次の作品を書かれるようでしたら読ませていただきたいです。この度は完結おめでとうございます。お疲れ様でした。 (2019年3月27日 1時) (レス) id: 438e23131d (このIDを非表示/違反報告)
ドール(プロフ) - 完結おめでとうございます。男性同士の恋愛そして近しい仲だからこそのどぎまぎ感読んでて楽しかったです。笑最後の林檎シュガーさんの言葉すごく素敵だと思いました。素敵な作品を読ませていただき本当にありがとうございます。 (2019年3月27日 1時) (レス) id: c018422211 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:林檎シュガー | 作成日時:2018年12月23日 22時

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