あの日の月は綺麗だった

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それからは9人でいるときはずっと、それ以外の時もできるだけ一緒におってくれた。
めめと2人の収録の日は連絡をくれた。
めめの話題はせんで、これ美味いからおすすめ！みたいな世間話。

俺がすぐ落ち込んで泣くから気にしてくれてるんやろな。


「お前ら最近、前よりもさらに一緒にいるよな」
ソファーにピッタリと並んで座る俺ら。
よくあることだけど、それを俺は誰とでもするからふっかさんばっかだったのが不思議だったんかもしれん。

「そ？」
スマホからチラリと佐久間くんを見てすぐに目線を戻してる。
俺は何も言えんでただ笑ってる。

「こーじ、俺とも遊ぼ〜」
ふっかさんとは反対側からぎゅうっと抱きつかれる。

ふっかさんを見ると、目は合わんけどこくりと頷いた。
気にすんな、ってことやんな。


「さっくん！わぁ〜〜〜」
2人で倒れ込んで笑う。
こういうふざけ方をして笑い合えるんは佐久間くんだけやんな。

2人でいっぱい騒いでふざけ合うのに夢中になってた時、ふと横を見ると、ふっかさんがある場所を怖い顔で見とる。

その場所には
あべちゃんと...めめがおった。

また、随分近いな。
少し、心に霧のようなモヤっとしたものが広がる。


てもなんでなんかな。
この前ほどは苦しくない。

「こぉじ？」
さっくんの俺を呼ぶ声でこちらにパッと気付いたふっかさんと目が合う。

「...康二、見てたのか？」
あまりに真剣な顔で聞くもんやから、ちょっと面白くって、
「何の話？」
笑ってしまう。

もちろん、2人のことを言うてるんはわかるけど、そんな顔して心配してくれてるんやな
って思うと嬉しくなる。

「そっか」
分かりやすく、ほっとするもんやから、それもまた面白い。
笑いを我慢して佐久間くんの方へ振り返ると、さっくんも2人のことを見とった。

｢さっくん？｣
｢あいつらも___最近仲良いよな｣
佐久間くんにそんな切ない表情があるって初めて知った。
泣きそう、とは違った諦めと悲しさも混ざったようなそんな表情。





☆☆

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