あの日の月は綺麗だった

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｢ちょっと、ふっか。飲みすぎだって｣

あべちゃんはすでにべろべろに酔っ払ったふっかさんを必死に止めてる。
酔ってる時の言葉って本音よな。

そんなに誰を想ってるんやろ。
羨ましいな。

俺も、
誰かに愛されたい。



｢康二｣

え？

｢こんな気持ち初めてなんだよ。
好きになっちゃったんだ。
お願いだから、、、、
受け入れてよ」


康二？
今、俺の名前を呼んだ。

好きな人。
それが俺なの？


「ふっかさん...ごめん、俺____」
いつも甘えてばっかりで、気づかないで
いっぱい酷いこともしてもうたかもしれん。
それなのに喜んどる俺がいる。
ごめんなさい。
自分勝手や。

「分かってる。めめが好きなんだろ。まだ諦められないんだろ？
さっきのお前、泣きそうだったもん」

さっきの...

｢あれは、違う！勘違いやって。めめが好きで泣いたんと違う。あれは、あれは....｣

なんで俺、こんなに必死なんやろ。
なんで俺、泣きそうだったんやろ。


そうや。
諦めようとはしとったけど、俺が好きなんはめめやった。
そのはずなのに、俺の頭ん中にめめはおらんかった。

いつから？
いつから俺はめめへの想いをこんなに弱くなったんやろ。

いつから、この人のことばかり考えるようになっとったんだろう。


☆☆

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