小鳥 3 ページ11
私の声に気がついているのかいないのか、結弦は米が目当てで集まってきた小鳥に話しかけている。
「君たちはホント素直だよね、餌があったら寄ってくるし。無くなったら飛んでくし。俺の彼女と大違い。いつも我慢ばっかさせてんのは俺だけどさ、頼って欲しいじゃん。彼氏だよ?俺。あーぁ、いつも俺ばっか甘えてて飽きられちゃったのかなぁ」
黙々と餌をやりながら話しかけている結弦は何だか小さく見えた。
「ばーか!」
私が多い被さるように結弦に後ろから抱きつくと、いってぇ!と声が漏れた。
数秒後、……A?もしかして今の聞いてた?とオロオロする結弦を見ると、きっと私に気づいていなかったんだろう。
「あのね、私話してない訳じゃないんだよ」
語るように話しかける。
大丈夫って想いをこめて。
「……やっぱ聞いてた」
「聞いてたよ、ごめんね結弦。私くだらないことばっか考えてるんだよ。今朝だってあー私達バカップルだなぁとか考えてたんだよ。言いたいことあってもね、結弦見ると幸せになってどうでもよくなるんだよ。私……ちゃんと幸せだよ」
ぐてーっとして話すには不似合いなことを話してるけど、これが私にとってはちょうどいい。
結弦はまだ小鳥を見つめたままでピクリとも動こうとしなかった。
「おーい、結弦さーん」
数分後に痺れを切らせて結弦を呼ぶと、結弦が急に立ち上がったから私は背中から落ちるわ小鳥は逃げるわ大変だった。
「痛い!」
「……本当?」
「本当だよ!痛かった!」
「そうじゃなくて、さっき言ってくれたこと」
頭を抑えながら結弦の方を向くと心なしか嬉しそうで、私も嬉しくなった。
「本当だよ」
「そう?じゃ、俺らおんなじだね」
「え?」
「だって俺も今朝同じこと考えてたから」
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梨羅@年中眠娘(プロフ) - はにー(羽生)君が可愛い!更新頑張って下さい! (2015年3月28日 22時) (レス) id: b2cc6b8383 (このIDを非表示/違反報告)
木戸 蕾果(プロフ) - ゆーさん» 大丈夫ですよ!ありがとうございます!がんばりますね! (2015年2月21日 11時) (携帯から) (レス) id: 0b1523d693 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - キュンキュンです(≧∀≦)更新楽しみです♪インフルエンザ大丈夫ですか?無理せず頑張ってください!!!!!!! (2015年2月20日 17時) (レス) id: e6615b165f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白猫 | 作成日時:2015年2月18日 13時