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「「 ……… 」」
気まずい。
一輝くんママを恨んでしまいそうになるくらい、それくらい気まずい。
「 ……やっぱ、あの、１人で帰れるんで 」
深澤「 ………襲われるかもよ 」
「 え？あ、大丈夫です。逃げ足だけは自信あるんで 」
深澤「 …ふーん？ 」
じゃあ、そう言って走り出そうとした時だった。
いきなり深澤さんのドアップ、そして背中は誰かの家の塀、顔の横には手。
深澤「 逃げれんの？ 」
「 ちょっと！ 」
深澤「 ………ふっかって呼んだら、やめてあげる 」
「 …………っか 」
深澤「 なに？聞こえないんだけど 」
「 ふっか… 」
深澤「 ん、 」
「 ……奥さんも子供もいるのに…いいの？こんなことして 」
ふっかと言えば、何事もなかったかのように離れていこうとするから何を思ったのか、まるで離れないでとでも言うように私の手はふっかの手を掴んでいた。
我に返って急に恥ずかしくなって俯くと、懐かしい笑い声が聴こえた。
「 なんで、笑うの… 」
深澤「 ごめんごめん、かあいいなって思って 」
「 ……やめてよ、 」
深澤「 俺、結婚もしてねえし、子供もいねえよ 」
「 え？嘘だ 」
深澤「 嘘つかねえって 」
「 じゃあ、なんで… 」
深澤「 アイツは妹 」
「 …っは？妹…いたの？ 」
深澤「 ていうか、名字違えじゃん 」
「 …そうじゃん、一輝くんは深澤じゃないじゃん 」
自分の馬鹿さ加減に、ため息が出る。
でも、よかった、なんて思っちゃって。
…まだ好きみたいじゃん、やめよやめよ。
ふっかはそんな私の気持ちも知らずに、優しく笑いながら私の頭を撫でる。
深澤「 寂しかったんでしょ？____なべ２号 」
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作者名：未 | 作成日時：2021年1月28日 20時
