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深澤「 …あ、なべ2号 」
廊下を歩いていると聞こえたあまりにも懐かしい呼び方に、思わず反射的に振り返った。
「 …え?…ふっか? 」
その呼び方を頼りに古い記憶を掘り起こせば、思い出されるひとりの人物。
まだ私が今よりもずっと幼い頃、一緒に遊んでいた人。
…正しく言えば、遊んでもらっていた人。
だけど、見慣れないスーツを着て学級日誌を持つ姿に小さい頃の面影なんてなくて、間違いなく男の人へと成長を遂げていた。
「 なんでここにいるの? 」
深澤「 は?お前、話聞いてなかったわけ? 」
「 話?なんの? 」
深澤「 俺、なべ2号の担任だよ 」
ふっかの持つ学級日誌を見れば、たしかに2-Bと書いてある。
深澤「 昔から人の話聞いてないのな、ちゃんと聞けよ〜 」
学級日誌で頭を軽く叩くと、そのまま多分職員室に向かって行くふっか。
いろんな情報が一気に入ってきて、もともと容量のない私の頭はパンパンだった。
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作者名:未 | 作成日時:2021年1月28日 20時