【2j3j】夜明け前のメロウ【短編集】 (ページ7)

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長尾side

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「ぷはっ……。」

上手く飲み切れなかった血液がぽたぽたと溢れて、俺の白いパーカーを赤く染めた。顎を伝う血を手の甲で乱雑に拭う。
質内には、常人ならとっくにむせ返るほどの鉄臭い匂いで充満していた。

少し満たされた空腹が俺の心を刺激する。擬似的に好きな人と一つになれた多幸感に酔いつぶれそうだ。

「にしても、流石に飲みすぎたかなぁ。」

貧血が原因で気絶したAを見ながら呟いた。
このまま床に放置するのも可哀想だと思い、そっと抱き上げて俺のベッドまで運ぶ。
ベッドに寝かせると、安心したかのようにすやすやと寝息をたて始めたA見て、自然と笑みが零れた。
起こさないように気をつけながら青白くなってしまった頬を優しく撫でる。

……あんだけ吸血すれば流石に感染するよな。
まぁ、駄目なら何度でもやればいいか。

「Aは知らねーだろうなぁ、噛まれたら吸血鬼になる(・・・・・・)ってこと。」

したら食事は全部俺の血になる訳だから、俺自身の健康管理もしないと。どーせなら美味しく食べてもらいたいじゃん。

あぁ、食事方法はどうしようか、首噛まれるのもいーけど、首は傷跡目立つし、どーせなら顔見たいし。手首でも切ろうかな。

吸血鬼になると本能的に血液が欲しくから、我慢なんて難しいだろうなー。

Aの方から俺のことを求めてくるだなんて考えただけでも胸が高鳴ってくる。
これからのことか楽しみでしょうがない。

「んはは、いいねぇ。早く元気になってくんねーかな。」

── 君が俺に溺れてくれるまであと少し。

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なんか納得がいかなかったので、ちょっと修正してよりヤンデレらしくしました。

ついでに長尾視点も追加しました。

機会があれば甲斐田ヴァンパイアも書きたいですね。