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男の魅せ場 ページ33

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「あ…」







彼は、私のおでこにキスをした。

…てっきり唇に来ると思ってて
目まで閉じたのに。

それを見られたと思ったら、
顔から火を噴きそうなほど、恥ずかしい。







そして、斜め上から見下ろしてくる有岡さんは
片方の口角だけ上げて、悪戯な笑みを浮かべていた。






「…やっぱり、下が良かった？」

「なっ、…何、言って」








こんなに近くで。
そんな低い声で囁かれたら。

心拍数は、走った後と同じくらいになる。








この人さては…確信犯なのか。

みんなのアイドル・有岡大貴は、
そんな男っぽい目付きで誘惑できるのか。








…分からない。
知れば知るほど分からない。この人が。








すると、何も喋らず
ただ黙って見つめる私にしびれを切らしたのか

唇が触れるギリギリまで
彼は顔を近づけてきた。








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「…目、閉じて」

「今度はちゃんと、するから」








まるで、催眠術にでもかかってるかのよう。
私は、言われるがまま目を閉じて。









次の瞬間には、
チュッという音が私の唇に落とされていた。

そして、
彼は耳元で、こう聞いてきた。









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「…確認、だけど今のキスは、」


「"時間外"…だから
業務ルールにはノータッチ…」







「って事で良いんだよ…な」

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