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ここから連れ出して ページ24

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「そういうわけなんで」









「走るよ、」








「"A"」









「…え、あっ」









耳元でそう聞こえたかと思えば、
彼は私の手を引き、走り出した。








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＿＿＿夜の街を駆け抜ける、2人の男女。









それを見てる人は、少なからずいるはずなのに。

有岡さんは、人目をはばかることなく、
私の手を握って走り続けている。









…さっきの、"彼女"呼び。

確かに私は(レンタル)彼女だけど、
助けるためとはいえ
何もそこまで言う意味無いはずなのに。

それから、名前。呼び捨て。

"彼女設定"を貫くためだろうけど、
だからってわざわざ呼ぶ必要ある？








…なんて。

走りながらも、私の頭の中は混乱してて。

この人は私をどうしたいのか、全然読めなくて。








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…ただ、1つ言えるのは









私の前を行く彼の背中は、
私を…助け出した彼の背中は、


誰よりも男らしく、広く見えたって事だけ。









これだけは、今、明確に分かっている事実だった。

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