※この先は有料オプションです(Daiki.A)

救世主 ページ23

.









私の頭の上から降ってきたその声は。

紛れもなく、








「あ、ありおかさ…」









.







振り向くと、彼は確かにそこにいた。

マスクと黒渕メガネとニット帽で、
隠してるつもりなんだろうけど。

分かる人は絶対分かるでしょ。









…こんな人通りの多いところじゃ。









「あ、有岡さん、さすがに離れてっ…」

彼を思ってそう言ったのに、
なぜか私の肩から手を離そうとはしなかった。









「誰？この人。Aちゃんの何…」
「だから、」









「人が質問してるんで答えてもらえません？」








.








彼はあくまで丁寧に聞いていた…けど。

その声色は、明らかに
いつもよりワントーンほど低いものだった。









「何？連絡先聞いてただけですよ、俺。
だって彼女、付き合ってる人はいないって言ってたんで」









そしたら有岡さん、何を思ったか
はっ、と半分バカにしたような笑い方をした。









.








「合コン行って、付き合ってる人いますよ〜って言うやつの方が少ないと思うけど？」









「だってこの子、」









「俺の彼女だし」

ここから連れ出して→←しつこい追っ手

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す