涙雨

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「いらっしゃいませ〜」



日曜日の午後。
店内は休日だからかたくさんの人であふれている。

大型ショッピングモールの中にあるごく普通の書店。近隣と比べたら品揃えはいいほうだと思う。





この店に務めて9年。
いつのまにか副店長という立ち位置になっていた。

子供の頃から本を読むのが好きで、大学4年の就活の時に自然と書店を選んだ。副店長としてはまだ1年しか経っていないけど、同僚の助けもあってなんとか毎日を過ごせてる。



本の整理やポップ作り、何ヶ月かに1回の企画を考えたりとなにかと忙しいけれどそれ以上に楽しくて、疲れも苦にならない。

休日も読みたかった本を読んだり、図書館に行ってみたり。





そんな平凡な日々がずっと続くと思ってた。

あの日までは。

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