F-side ページ9
「…ここに居てもいいんだよ…」
バスタオルで顔を覆いながら呟いた。
俺の声が北山くんに届いたのかはわからない。
「俺さ…ずっと自分は夜の人間だって思ってたんだ」
「…夜？」
「うん…昼間の明るさは俺に合ってない。眩しすぎるって…」
北山くんの言う"夜"の意味がわからなかった。
夜の仕事って事なのか…
「藤ヶ谷みたいに立派な仕事に就いてる人達と同じ空の下に居ちゃいけないんだって…同じ太陽を浴びちゃいけないんだって…」
北山くんが俺の気持ちを察したように付け足して言った。
「そんな事…！そりゃ北山のしてきた事はいい事とは言えない…でもそれは生きていく為だろ？」
「…生きていく為か…」
「違うの？」
「…自分が生きていたのかもわからない」
両手に持っていたグラスを音を立てる事なく静かにテーブルへと戻した。
それを見届けてから自分もバスタオルを頭からソファーの上へと置いた。
「北山は、生きてるよ…」
「…生きてていいのかな、俺なんて…」
今にも泣き出しそうな、なんとも言えない北山くんの表情を見て胸が苦しくなった。
きっと俺の知らない苦しみがまだまだたくさんあるはず。
「生きてていいのか」なんてそんな悲しい事を言って欲しくない。
気付けば俺は立ち上がって北山くんの隣に移動し、スエットから少しはみ出る両手をギュッと握りしめた。
驚いた表情をした北山くんが俺を見上げる。
「俺が…北山の太陽になる」
「藤ヶ谷…？」
「俺がずっと北山のそばで北山を照らし続けてあげる。だから…そんな悲しい事言うなよ…」
北山くんの手を握りしめている自分の手が小刻みに震えているのがわかる。
きっと北山くんの手にも伝わっているだろう…
これが今の俺が北山くんに伝えられる最大限の言葉だ。
「…さすが、太輔だな…」
「え…？」
「由来は知らないけど、太輔の太は太陽の太だろ？」
「あ、うん…」
「ふふっ、ありがと藤ヶ谷」
小刻みに震えた俺の手を今度は北山くんの小さな手が包み込んだ。
「あったかい…」
そう呟いた北山くんは今までで一番穏やかな表情をしていた。
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りこ(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます！確かに藤ヶ谷さんの制服姿かんなりカッコイイでしょうね！！←横尾さんもスタイルいいからそんな二人が並ぶともうやばいですね(･∀･)更新がんばります♪ (2018年2月9日 21時) (
レス) id: 4ea3afb79b (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 藤北ともちんさん» コメントありがとうございます！可愛いと言ってもらえてよかったですww更新頑張ります♪ (2018年2月9日 21時) (レス) id: 4ea3afb79b (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - こんばんは。更新ありがとうございます…！藤ヶ谷くんの抱える悩み、北山くんの抱える悩み、それぞれどうなるのか気になります…。藤ヶ谷くんの制服姿、想像するとカッコ良いですよね♪これからも更新楽しみにしています。 (2018年2月6日 21時) (レス) id: ef0e919a50 (このIDを非表示/違反報告)
藤北ともちん(プロフ) - きゃあああああああああ！！！ラブラブな藤北可愛すぎるうううめっちゃ萌えるぅぅぅ続きも楽しみに待っておりますm(_ _)m (2018年1月31日 5時) (レス) id: 924c28a5a1 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - daimommさん» コメントありがとうございます♪これからは二人の幸せな生活を主に書いていくつもりです(*´∀`)どこまで書けるかわかりませんが、優しく見守ってくれたら幸いです(*´∀`)♪ (2018年1月30日 13時) (レス) id: 4ea3afb79b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りこ | 作成日時：2018年1月23日 18時
