検索窓
今日:2 hit、昨日:3 hit、合計:144,590 hit

K-side ページ18

Prrrr…






いつの間にか玄関で気を失ってしまった。




体の痛みと自分のスマホの音で目が覚めた。


少し体を動かすだけで鈍い痛みが全身に広がる。





なんとかポケットからスマホを取り出しディスプレイを見ると俺が働いているコンビニの店名が表示された。







時計を確認すればもう夕方の4時。

着信は何度かあったようだった。









「ふっ……あ、っつ…」






震える手でスマホを握りしめながら俺ははじめて涙を流した。




こんな俺を快く受け入れてくれたニカ。


何も知らない年上の俺に必死になって仕事を教えてくれた。


俺の汚れた心も体もあいつの笑顔で全部洗礼されたようにも思えた。









「ごめっ…っ、ごめんな…っ…」





ギュッと鳴り止まないスマホを握りしめ玄関の冷たい床の上に限界までに体を丸めて声を押し殺して泣いた。









その日の夜から俺は男から命じられたように店に戻り、客の相手をした。



店のオーナーはとても喜んだ。


その日のうちに常連と言われる常連客は来店し、休みなく俺を指名した。





冷たい玄関の床の上で何度も体を揺さぶられた為、傷や痣が酷かった。

それでもここに来る客はそんなこと気にもとめず俺の体を「キレイだ」と言って舐め回すように見つめた後、欲求を満たして帰っていく。









再び男の元へと戻り、稼いだ分のお金を全額渡せば

『やればできんじゃねーか』

と満足そうに微笑んだ。









そして翌朝、俺はコンビニに電話をかけた。


やはり夜勤明けのニカが電話に出てこちらの名前を告げれば「みつ!?」と乱暴な声で呼ばれた。


どんな顔をしているのかだいたい想像がつく。




昨日の無断欠勤を謝罪し、辞めさせて欲しいと頼んだ。


急な事にニカは困惑して理由を聞いてきたがもちろん言えない。





ただ、ひたすら「ごめん」と謝ることしか出来ない。







そんな様子を見ていた男が俺から無理矢理スマホを奪い、電話を切ってしまった。



殴られはしなかったものの、そのまま俺のスマホは奪い取られた。









そして今…


お金を男に渡す為だけに家に戻り、それ以外はずっと店の待機室だ。


それがあの男の命令だった。

F-side→←K-side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (257 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
625人がお気に入り
設定タグ:藤北 , 藤ヶ谷太輔 , 北山宏光
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りこ(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます!確かに藤ヶ谷さんの制服姿かんなりカッコイイでしょうね!!←横尾さんもスタイルいいからそんな二人が並ぶともうやばいですね(・∀・)更新がんばります♪ (2018年2月9日 21時) (レス) id: 4ea3afb79b (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 藤北ともちんさん» コメントありがとうございます!可愛いと言ってもらえてよかったですww更新頑張ります♪ (2018年2月9日 21時) (レス) id: 4ea3afb79b (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - こんばんは。更新ありがとうございます…!藤ヶ谷くんの抱える悩み、北山くんの抱える悩み、それぞれどうなるのか気になります…。藤ヶ谷くんの制服姿、想像するとカッコ良いですよね♪これからも更新楽しみにしています。 (2018年2月6日 21時) (レス) id: ef0e919a50 (このIDを非表示/違反報告)
藤北ともちん(プロフ) - きゃあああああああああ!!!ラブラブな藤北可愛すぎるうううめっちゃ萌えるぅぅぅ続きも楽しみに待っておりますm(_ _)m (2018年1月31日 5時) (レス) id: 924c28a5a1 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - daimommさん» コメントありがとうございます♪これからは二人の幸せな生活を主に書いていくつもりです(*´∀`)どこまで書けるかわかりませんが、優しく見守ってくれたら幸いです(*´∀`)♪ (2018年1月30日 13時) (レス) id: 4ea3afb79b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りこ | 作成日時:2018年1月23日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。