検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:144,589 hit

K-side ページ13

目が覚めると目の前には静かに寝息を立てている藤ヶ谷が居た。


一瞬驚いたけれどまだ少し寝ぼけた頭で昨日の出来事を思い出す。






「藤ヶ谷…」





少しだけ手を伸ばして藤ヶ谷の頬に触れてみた。





「俺が北山の太陽になる」

藤ヶ谷は確かにそう言ってくれた。






本当にいいのか…

俺みたいな人間が、本当に明るい世界に足を踏み入れても…









だとしたら俺はやらなきゃいけない事がある…









意を決して藤ヶ谷を起こさないようにベッドから体を滑らせて寝室を出た。









藤ヶ谷には申し訳ないけど勝手に洗面所にあった乾燥機から俺の服を取り出し、物音ひとつ立てないように着替えを済ました。







借りたスエットは洗って返したかったけど、とにかく今は藤ヶ谷が起きる前にこの家を出たかった。







あいつの笑顔を見るとまたここから逃げられないような気がしたから。








いや、違うか…


俺が逃げるのは藤ヶ谷からじゃない。









なるべく丁寧に着ていたスエットを畳んでソファーの上に置いた。




そして最後に寝室を覗いて藤ヶ谷が眠っているのを確認してから部屋を出た。









藤ヶ谷、ごめんな…

ちゃんとお礼言えなくて。









マンションを出てから大通りまで出るとタクシーを拾ってあの男の家へと向かった。


いつもならタクシーなんて使わないんだけど、これは俺の金だ…





誰かの為に働いた金じゃない。









そう自分に言い聞かすようにタクシーの窓の外を眺めながらポケットに入った一万円札を握り締めた。

F-side→←F-side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (257 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
625人がお気に入り
設定タグ:藤北 , 藤ヶ谷太輔 , 北山宏光
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

りこ(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます!確かに藤ヶ谷さんの制服姿かんなりカッコイイでしょうね!!←横尾さんもスタイルいいからそんな二人が並ぶともうやばいですね(・∀・)更新がんばります♪ (2018年2月9日 21時) (レス) id: 4ea3afb79b (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - 藤北ともちんさん» コメントありがとうございます!可愛いと言ってもらえてよかったですww更新頑張ります♪ (2018年2月9日 21時) (レス) id: 4ea3afb79b (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - こんばんは。更新ありがとうございます…!藤ヶ谷くんの抱える悩み、北山くんの抱える悩み、それぞれどうなるのか気になります…。藤ヶ谷くんの制服姿、想像するとカッコ良いですよね♪これからも更新楽しみにしています。 (2018年2月6日 21時) (レス) id: ef0e919a50 (このIDを非表示/違反報告)
藤北ともちん(プロフ) - きゃあああああああああ!!!ラブラブな藤北可愛すぎるうううめっちゃ萌えるぅぅぅ続きも楽しみに待っておりますm(_ _)m (2018年1月31日 5時) (レス) id: 924c28a5a1 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - daimommさん» コメントありがとうございます♪これからは二人の幸せな生活を主に書いていくつもりです(*´∀`)どこまで書けるかわかりませんが、優しく見守ってくれたら幸いです(*´∀`)♪ (2018年1月30日 13時) (レス) id: 4ea3afb79b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りこ | 作成日時:2018年1月23日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。