＊140＊移行のお知らせ＊ ページ50
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由利も私を尊い存在であるかのように考えて、時折私が憎いのだと言っていた。
みんなが私のことをどう思っているのかは、知らない。
知らないし、そのことに興味を持ったところで、私は私にしかなれないんだから……興味を持つ意味もないと考えている。
冷たいんだと思う、私は。
私は……あらゆる家を巡っているうちに、自分という確固たるものを忘れてしまった。
あらゆる家に適応するために。その人たちに気に入られるために。
可愛がってくれた人たちもいた、と思う。断言しにくい理由は、記憶が……あやふやだからだ。
風「………俺からしたら、俺なんかよりお前の方が純粋なんだけど」
あ「それはそうかもしれない」
別に身体的な 虐 待 を受けてはいない。
他人様の 性 的 な光景を、何度も何度も見たことがあるだけ。
だから、自分は 性 的 なことはしないと決めていた。部署が変わる前のパッケージの仕事がきつかったのも、そのせいだ。
健人も言ってたな。
水 商 売 …… 性 的 なものは、心を壊す、みたいなことを。
そうなのかもしれない。
だけど、風磨に強いられていた行為は、苦痛ではあったとはいえ、その過去の他人の行為を思い出すものではなかった。
一度もフラッシュバックしなかったのは、私にとって風磨が特別だから？
あ「風磨より心が真っ黒だったら嫌だなぁ」
私がふっと笑えば、風磨はため息を吐く。
風「………まぁそうか。お前も確かに、そこら辺の一般人とは違うな」
あ「うん」
風「変な奴」
私は風磨を抱きしめ返した。
そうしたら、さらに強い力で風磨が抱きすくめてきた。
風「そう簡単に洗脳される奴じゃない、か。お前は強いからね」
あ「強い？弱いの間違いじゃなくて？」
風「弱いのは俺の方だ」
その声は、今にも泣き出しそうだった。
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移行が完了しました。
引き続きよろしくお願いします。
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作者名：北斗七星 | 作成日時：2017年3月23日 15時
