＊128＊ ページ38
＊
.
「よぉ、久しぶり。日下部、それから(人1)」
背後から聞こえて来た声に凍りついた。
.
その声を聞いた途端、勝利に跳びかかっていったルナを呆然と見つつ、私は立ち尽くしていた。
目の前で戦いを繰り広げる2人。実力の差は歴然。勝利が床に倒れて、ルナがお得意の右ストレートを決めた。
勝「おまっ、怪力すぎんだろ………！！」
ル「勝利、握力いくつ？」
勝「40はあるし！ちょっ、い、いてえええ！！！足癖悪すぎんだろ！！」
ル「だっさいなー。私は50あるけど？」
勝「女じゃねぇ………」
絶望的な顔をした勝利を鼻で笑いつつ、ルナはひらりとジャンプして勝利から離れた。
……………それよりも。
あ「勝利」
私はぽつりと呟くと、勝利が顔を上げた。
私を見つめて、バツが悪そうに笑う。
私をマリさんのところに連行して、風磨に再起不能になりそうなほど痛めつけられた雪の日のことを、思い出しているのかもしれない。
勝利。
マリさんを崇拝する勝利。
私を監視していた勝利。
由利を捕えた勝利。
アカリを追っている勝利？
さまざまな想いが駆け巡り、私は唇を噛みしめた。
言いたいこと、聞きたいことは、たくさんある。
何でここにいるの、とか。由利を解放して、とか。
だけど全部言葉にはならなくて、私は黙りこくっていた。
勝「(人1)ちゃん、はい」
この世界の人は、手紙を渡すのが好きなんだろうか。
差し出された便箋を、私は黙って見つめていた。
なかなか受け取ろうとしない私に痺れを切らしたようで、勝利は無理やり押し付けてくる。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1488人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：北斗七星 | 作成日時：2017年3月23日 15時
