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風「すっげぇ甘そう……」
あ「一口いる？いちごとキャラメル相性抜群だよ」
風「いらないよ。胸やけしそう」
こんなに美味しいのになぁ。
風「あー、日本酒飲みたい」
あ「昼間から？てか、クリスマスと言えばシャンパンでしょ。私、シャンパンなら飲める」
風「炭酸がきついんだよ」
あ「ビールは好きなくせに」
風「ビールは別。シャンパンよりはワインだな」
あ「ワインなら白がいい」
風「俺は赤派」
………全然合わない。
思わず笑ってしまう。
あ「なんか美味しいものでも買って、家で食べない？たまには贅沢しようよ……風磨のお金で」
風「学生はいい身分だなぁ。まぁ、そうだな。家でゆっくり過ごそっか。ついでにワインでも買って。……赤で」
あ「白でしょ」
風「なら両方買うよ？」
「そんなに飲んだら酔っ払っちゃうじゃん」と私が笑えば、「俺は酔わないからいいんだよ」と風磨が得意そうに微笑む。
最近、いろいろあったから。
こうやって平和に話している今が、夢なんじゃないかと思ってしまう。
でも、私は知っている。
塞ぎこんでる私のために、風磨がわざわざ外に引っぱり出してくれたこと。
本当は、出かけないで家で静かに休みたいだろうに。
.
日が暮れる頃、ぽつぽつ点灯し始めたイルミネーションを横目に、2人で手を繋いで帰った。
途中、普段は行かない少し高級な輸入品のスーパーで買い物をして。
お互いに好きなものをどんどん買い物かごに入れたせいで、全然イブらしくない夕食になりそうだ。
あ「風磨が買ったものはおかしい。チーズが多すぎる。カマンベールチーズ何種類買ってるの。パクチーチップスとかヤバそう」
風「それを言うなら(人1)でしょ。生春巻き買いすぎじゃね？しかもパクチー入ってるし」
あ「生のパクチーは美味しいよ。チップスは邪道です」
風「揚げ物は正義です」
意味の分からないことを言った風磨を小突きながら、夕暮れのなか、真っ直ぐに続く道を歩いて行った。
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作者名：北斗七星 | 作成日時：2017年3月23日 15時
