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≪(人1)へ
元気にしてるかな。私はこうして生きてるから大丈夫だよ。心配しないで。
追伸：「勝」の原点は「由」ではなく「朱莉」です。朱莉は、私の姉だった女で、随分前に勘当されました。
由利より≫
何これ、どういうこと？
筆跡は由利で間違いない。
だけど、内容が理解できない。
しかし風磨は「アカリ、か。なるほどね」と呟くと、それきり黙ってしまった。
あ「風磨？」
風「どうやら事態は、俺や健人が思っている以上に厄介かもしれない」
不可解な言葉を、残して。
詳しいことは分からないけど、2人は組織を秘密裏で「終わらせよう」としているらしい。
終わらせることは出来ないと言っていた健人だけど、何か心境の変化があったのか、風磨と運命を共にすることを決めたようだ。
「逃げていたらダメ」という風磨の言葉に、穏やかに賛同していたから。
そのために信頼できる筋を頼りに、ネットワークを張り巡らしている。
あ「風磨。朱莉って誰？」
どうせ教えてくれないだろうと思いつつも聞いてみたら、意外なことに風磨はあっさりと教えてくれた。
風「暗部の女。かつては幹部にいて、マリさんとの親交も深い。愛人のうちの1人だっていう噂もある」
あ「それが、由利と勝利のお姉さん？」
風「この手紙からはそう読み取れるな。勝利はアカリを探しているのかもしれない」
親に 虐 待 され、街で彷徨っているところをマリさんに拾われたらしい勝利。
だけど、事態はそれだけではない、ということか。
風「これは処分した方がいい」
風磨はそう言うと、慣れた手つきで手紙を燃やし始めた。
ライターの炎に手紙が飲み込まれていく。
この人は、そうやって生きてきたんだ。
何故か胸が締め付けられて。風磨に抱きついたら、驚いたのは彼はわずかに眉を上げた。
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作者名：北斗七星 | 作成日時：2017年3月23日 15時
