相澤先生の寝袋 [ヒロアカ] (ページ6)

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相澤先生の寝袋かぼちゃのランタン (ハロウィン企画・番外編) ページ6

授業を終えマンションに帰宅した相澤の目の前を通せんぼしているのは、光るかぼちゃだった。

相「ただいm……なん、……なんだ、これ…？」

光るかぼちゃ

相澤は玄関口に立って、まじまじとそれを凝視した。

先に帰宅しているであろうAの姿が見当たらない。

ハロウィンでもない今日、かぼちゃのランタンとは随分ととち狂っていると相澤は思った。

そして、こんなことをする犯人がAしかいないことも相澤は分かっていた。

このマンションには相澤とAしかいないはずだからだ。

相「…A、さっさと姿を現せ(怒))」

小テストの採点で疲れている目を極力使いたくない相澤は、静かな怒りを表してAを呼んだ。

しかし、一向にAの声はもちろんのこと何の音も聞こえてこない。

しかたなく相澤は、個性を使ってかぼちゃのランタンを睨んだ。

ｻﾞﾜｯ…

それでも光り続けるランタンは、Aが化けているのではないという事実を物語っていた。

相「…なんなんだ、いったい…」

いつまでも玄関に立っているわけにもいかず、相澤は靴を脱いでリビングに向った。

ドアを開けると、荒らされたリビングが目に入る。

相「っ！？ヴィランの襲撃かっ！？
A！どこだ！？無事か！？」

ひっくりかえったローテーブル、割れたテレビ画面、所々破れたカーテンとカーペット

それらはもはや、戦いの跡を残しているようにも見えた。

そんな惨状の中にAの姿がない。

相澤はいよいよ焦って、辺りをくまなく探した。

どこかにいるはずの負傷したAの姿を。

相「A…頼むから生きていてくれ…」

祈るように探し続ける相澤は、ベッドの下に微かに光る何かを見つけた。

相「…かぼちゃの、ランタン？」

玄関に置いてあったのよりも二回りくらい小さなかぼちゃのランタンが、ベッドの下で仄かに光を放っている。

相「ｸｿｯ、ふざけやがって」

部屋を荒らし、Aを連れ去ったであろうヴィラン(？)に悪態をつきながらも、ベッドの下のランタンに手を伸ばした。

相「っ＿＿＿＿＿＿！？」

そして、手がランタンに触れた瞬間に相澤の姿は消え去っていた。

年末の寒い夜、荒らされたマンションの一室に笑うかぼちゃのランタン２つ。

そう、今宵は彼らが知る由もない画面のこちら側の世界の、死者の祭典なのだ。

Happy Halloween,

お菓子を用意しているはずもない相澤とAに、多くの死者からの悪戯なのだった。

Trick and Trick！