相澤先生の寝袋 [ヒロアカ] (ページ50)

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相澤先生の寝袋モニタリング(続編決定記念・番外編)fin. ページ50

ワンルームマンションの狭い風呂場にAの嗚咽が響いた。

『…おれの……なのにっ……』

Aは相澤の肩に噛みついた。

しかし、その噛み跡はすぐに消えてしまう。

『おれの…きずは……のこってくれないっ…』

ジントニックの湯船に浸かっているせいでアルコールが皮膚からも吸収されて、ろくに力が入らないAが噛みついたところで傷など付けられるはずがなかった。

相「ちゃんと残ってるぞ
ここだ」

相澤は歯形がクッキリと残った薬指の傷をAに見せた。

『！…ふふふっ…おれのってあかし…』

Aは相澤の薬指を口に含み、その傷跡をもう一度噛んだ。

アルコールで柔らかくなった相澤の皮膚が切れ、血流が良くなって血がしとどに流れた。

相澤の血がAの唇から零れ、首を赤く染めた。

Aの真っ赤な唇を見て、朱を塗っているみたいだと相澤は眺めた。

『んむ…せんぱいのち…もったいない…』

Aは相澤を薬指を咥え、止まらない血を吸い始める。

相「そんなもん飲むな
身体に良いもんじゃねぇだろ」

相澤がAの口から指を抜くと、Aは壁に勢いよく手を突いて相澤の耳を甘噛みしながら囁いた。

『＿＿＿せんぱい、おれのせんぱいをうばわないでくださいよ』

それは以前、相澤がAに警告した独占欲と同じ類のものだった。

相澤は意識していなかったのだ。

Aは自分の後輩で、寝袋で、なにより憧れられているのに気付いていた。

だからこそ、Aは憧れが先に出てしまって自分を襲ってくることなどないだろうと相澤は思っていたのだ。

後輩であり寝袋である前に、Aだって1人の男である。

相「っ＿＿＿」

今のAに理性などなく、野獣の"雄"のような目で相澤を見据えていた。

相「待て、A…」

『まてません』

待たないのではなく、待てない。

そう言ったAは、相澤の首筋に舌を這わせ、脈うつ動脈部に皮膚の上から口づけていく。

相「ﾝｯ…ッ……///」

『はぁ…せんぱいっ……』

相「Aっ、…やめっ…ｯ…///」

『おれいがいにつけられたきずをこんなにのこしてしておいて…"やめろ"はないでしょう？
ねぇ…おとなしくおれにくわれてくださいよしょぉたせんぱい』

相澤の膝の上に全裸で跨がるAはまさに捕食者そのものであった。

別室のモニターで全てを見ていたプレゼントマイクとミッドナイトは、実況するのも忘れて即座に画面をシャットアウトしたのだった。