相澤先生の寝袋 [ヒロアカ] (ページ45)

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相澤先生の寝袋体育祭後ページ45

Aが途中棄権し爆豪が優勝した体育祭から一夜明け、朝早くに起きて朝食の支度をするAは左手の薬指から血が出ていることに気付いた。

『あれ？…いま切ったっけ…？』

サラダ用の野菜を切る手を止め、包丁の刃先を確認しても血はついていなかった。

『…切ってない
なんか知らない内に怪我したのかなぁ…』

薬指の根元を怪我するなんて、いったいどういう状況だろうかとAは真剣に悩んだ。

よくよく血が出ている薬指を見てみると、なにやら傷口が異様だった。

『俺が怪我すると先輩かなり怒るからなぁ…それにまた心配させる…』

昨夜はなんだかんだ言いたいことをお互いに全部言って、そのままベッドで寝落ちたのだった。

だから、相澤はまだAに起こされずに寝ている。

『…なんか傷口が……なんだこの形…？？』

Aは気になって、料理を一端中断して虫眼鏡で薬指の根元の傷口を確認した。

『・・・歯形？』

その傷口は、どう見ても人間の歯形にしか見えないのであった。

『いや、まさか…ね』

Aは寝ぼけた先輩に薬指を噛みつかれたのではないか、と一瞬考えてしまった。

『薬指に似てる食べ物なんかあるか？…』

相「ないだろ、そんなのw……眠ぃ」

『あ、おはようっス、先輩』

相「おはよ…」

相澤は目が覚めて隣にAがいないことに気づき、ノソノソと起きてきたのだった。

台所で黒いエプロンをしながら朝食を作っているAを見て、幸せを噛み締めていた。

虫眼鏡を持っていたことについて指摘しないでおいたのは、実は相澤には心当りがあったからだ。

『先輩、俺の薬指の根元から血が出てるんですけど…
すみません、ベッド汚したかもしれないっス』

相「いや、汚れてなかったよ
ってか、それ俺が噛んだ」←

『は！？』

まさかの予想が当たっていたことにAは唖然とするしかなかった。

相澤はニヤニヤしながらAの後ろに回り、背中から腰に腕を回した。

相「俺のって印、つけておいた」

『なっ…////』

相「守ってくれるんだろ？
プロヒーロー・レプリカは"相澤消太専用のヒーロー"になるんだろ？
そんな宣言されたら、指輪くらい必要かと思ってな
噛んだ」←

『普通に指輪買ってくださいよ！なんで噛んだんスか！？』

相「あぁそれと昨日お前を寝かしつけてから、お前のホームページ弄った
"イレイザーヘッドのサイドキックになります。"って載せておいたからな」

相澤は、今まで見たことないくらいの笑顔であった。