8.一時の別れ ページ9
早朝
よく寝たと伸びを一つして布団から抜け出す。外は朝早いせいか少し肌寒いが寝起きの体には丁度良い温度だ。昨日布団だけではなく風呂まで貸してもらってしまい、ここ最近は川や湖で水浴びをしていただけだったのでとても感動した。
そういえばあのじーさんをずっと見ていない。
心配しているわけではないが、なんだかんだ世話になっているのも事実だ。無事に魔導書が貰えたことくらいは報告しておくべきだろう。
『あ、シスター。私もう帰りますね、アスタとユノによろしくと伝えておいてください』
「あっ、はい。Aさんもアスタとユノのことよろしくお願いします」
教会に別れを告げ、急ぎ足で住処にしている浜辺へと向かう。
来る頻度は週に1度程度だったのだが今日はなんだかいる気がして、早く報告したいと思い勢いよく森から文字通りジャンプで飛び出すとすぐそこに老人がいた。
『っ、じーさん危ない！』
空中にある体は軌道を変えることができる筈もなくぶつかるっ、と思い目を強く瞑り来る衝撃に構えるがその衝撃が来ることはなく、代わりに横腹を掴まれる感触と足の先の方に遠心力がかかり不思議な感覚になるのがわかる。
よいしょ、という声が聞こえて、浮遊感がなくなり足が地面につく。恐る恐る目を開けると、ニコニコと笑っているじーさんがいる。
『えっ、ちょっと待って理解できない。じーさん何者？怖いんでそれ以上近寄らないで貰えます？』
勢いよく、後ろへと下がりじーさんをジロジロと見る。
骨が浮き出たような細い腕、曲線を描いている背中。とても80代後半に見えるじーさんに、筋肉がしっかりとついた15歳の子供を受け止められるほどの力があるとは思えない。それに、ジャンプしていたため勢いも付いていた。受け止められると思っていたら先程焦ることもしなかった。
口先では余裕があるように振る舞うが、たとえずっと世話になっていたとはいえ他人は他人だ。名前すらも知らない老人で、世話をしていたのも裏があったからなのかもしれない。
「おや？怖がらせてしまったかな。」
『なっ⁈』
老人の掠れた声が力強くそれでいて優しさを含む声に変わり驚いたが、それよりも一瞬光に包まれたかと思うと老人が立っていた場所に、全く知らない人が立っていた。
優しく光を反射する黄髪にすらりと伸びる鼻、その横から覗く瞳は上品な紫色を纏っている赤いローブも高価なものだろう。それに胸のファーについた勲章は多く、一目で有力な者だとわかった。
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二度寝(プロフ) - 単行本でこの夢小説に影響するちょっとした出来事が起きたので牛歩どころか粘菌レベルの歩みの投稿ペースがさらに落ちますが、一応書いてます。 年単位振りの再会でストーリーの展開が分からなくなってきていますが、過去の私のメモのおかげでなんとか生きてます。 (7月24日 17時) (
レス) id: 2efcf48650 (このIDを非表示/違反報告)
二度寝(プロフ) - お久しぶりです、作者の二度寝です。 久方ぶりの投稿がこんな内容になってしまうのは大変心苦しいのですが、少し考えていたストーリーを改変する必要が出てきたことをお知らせします。 (7月24日 17時) (レス) id: 2efcf48650 (このIDを非表示/違反報告)
＾ナキア＾ - 最高に面白かったです！もう神すぎてやばい_:(´ཀ`」 ∠): (2022年4月17日 18時) (レス) @page32 id: d9381db58d (このIDを非表示/違反報告)
引きこもり隊 - 一気読みしました！面白いですね‼︎頑張ってください‼︎٩( 'ω' )و (2022年4月4日 14時) (レス) @page32 id: 553232132b (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - お久しぶりです。久しぶりの更新お疲れ様です。気長に更新待ってますね頑張ってください！ (2022年1月18日 20時) (レス) @page32 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：二度寝 | 作成日時：2020年8月11日 0時
