2.魔導書授与式 (1) ページ3
『ちょっと待ってなんで私迷子なの?会場どこ?誰か助けて』
魔導書授与式に行くとなったのはいいものの、どこでやるかも何も聞いてなかった。
絶体絶命である。
『というか、あのじーさんも教えてくれてもいいじゃん』
あの日から老人は浜辺に来ることはなく、毎日もらった刀の手入れや刀の特訓に明け暮れていた。
お陰でもともと漁をしていたため付いていた筋肉に磨きがかかり今では腹筋もちゃんと割れている。
どんな魔導書が貰えるのかとワクワクしていて、当日がこれだ。
こんなの兄に知られたら大声で笑われるに決まっている。
私の兄は漁にでてそれっきり戻らなかった。嵐に巻き込まれて恐らく転覆してしまったのだろう。どこかで聞いたことのあるような話だがそれこそ気にしたら負けだ。
『あ〜、誰か案内してくんないかな』
気を紛らわす為にポツリと呟くと前を歩いていた少年が振り返った。
鼠色の髪をしている少年の見た目は14、5くらいで隣に立つもう1人の少年も同じ様に見える、これは…もしかして。
『…2人も魔導書授与式に?』
「お前も?!」
大声で反応した少年の態度を見ると当たりだったらしい、つまり彼らについていけば会場につける!
内心で大きくガッツポーズを取り2人の横に並ぶ。
『あはは、助かったぁ。さっきまで迷子でさ〜、内心終わったって思ってたとこ。
あ、私の名前はA。A・ヤミね。よろしく』
「俺はアスタ!よろしくな、A!」
「…ユノ。よろしく」
アスタにユノ、
2人には感謝しなければいけない。なにせ遅れそうどころか辿りつけさえしなかったかも知れないのを救ってもらったのだ。
ユノが会場忘れるとか、ありえねー。と呆れ気味に言っている気がするがスルーしたほうがいいだろう。
『あ、あれじゃない?』
雑談しながら歩いていると何かが見えてきた。
私が指を指した向こう側には円柱状の大きな建物があった。人も集まっており活気を見せている。
どうやらあっていたようで、待ち切れないとばかりにアスタが走り出す。
「ユノ、A!誰が1番早く辿り着けるか勝負だ!」
「絶対負けねぇ」
いきなり始まった勝負に呆然とするが勝負は勝負だ。負けたくない。
『うぉぉぉおおお!』
女子としての感情を捨てるんだA!叫び声なんて気にするな!
全力で走り、アスタと並ぶ。あともう少し、という所でユノが魔法で目の前に降りてきた。
「『ああぁぁぁああああ!!!』」
敗北した2人の叫びは会場に大きくこだました。
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二度寝(プロフ) - 単行本でこの夢小説に影響するちょっとした出来事が起きたので牛歩どころか粘菌レベルの歩みの投稿ペースがさらに落ちますが、一応書いてます。 年単位振りの再会でストーリーの展開が分からなくなってきていますが、過去の私のメモのおかげでなんとか生きてます。 (7月24日 17時) (レス) id: 2efcf48650 (このIDを非表示/違反報告)
二度寝(プロフ) - お久しぶりです、作者の二度寝です。 久方ぶりの投稿がこんな内容になってしまうのは大変心苦しいのですが、少し考えていたストーリーを改変する必要が出てきたことをお知らせします。 (7月24日 17時) (レス) id: 2efcf48650 (このIDを非表示/違反報告)
^ナキア^ - 最高に面白かったです!もう神すぎてやばい_:(´ཀ`」 ∠): (2022年4月17日 18時) (レス) @page32 id: d9381db58d (このIDを非表示/違反報告)
引きこもり隊 - 一気読みしました!面白いですね‼︎頑張ってください‼︎٩( 'ω' )و (2022年4月4日 14時) (レス) @page32 id: 553232132b (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - お久しぶりです。久しぶりの更新お疲れ様です。気長に更新待ってますね頑張ってください! (2022年1月18日 20時) (レス) @page32 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:二度寝 | 作成日時:2020年8月11日 0時